uniqueco ケニアのビーチサンダルから
このところ、ニュースを見る時間もないほどの一杯一杯の生活をしていたのですが、今日の土曜の午後は、息子は日本語補習学校、主人は娘二人をお誕生会に連れて行ってくれたので、久々に、家でゆっくり1人のティータイムを楽しみました。
CNNでは、アメリカで開催されているG20の様子、ブッシュ大統領の全く心に残らない会議の報告(この方、とうとう最後まで、何に気づくこともなく任期を終えそうですね。かわいそうな人です。)、その後は、2002年にあったバリでのテロのBomber(主犯)への直接インタビュー(「イスラム教に勝るものはない。あんたたち、西側の人間が死んだ事なんて、少しも悪く思っていない」とギラギラの目で語るテロの実刑犯と責めるようにインタビューするCNNのレポーターの生のやりとりはものすごい臨場感があって、流石CNNだなあと思いました。日本のテレビ局で、まずこんなインタビューを取り付ける事は出来ないでしょう) そして、チャンネルをBBCにすると、ちょうどとっても面白い特集が!ケニアで活躍するJulie Churchさんという女性の起業物語でした。 起業のインスピレーションは、なんと、「美しいケニアの海や景観を台無しにする、観光客が捨てていく、山のようなビーチサンダル」から! 自然を愛するJulieさんは、この光景、そしてそれらが海のエコシステムを破壊していることが、ずっと許せなかったのだそうです。そしてある時、いつものように海岸沿いを歩いていると、現地の女性が、ごみを集めて何かクッションのようなものを作っている風景、そして同時に、子供たちは、脱ぎ捨てられた数々のカラフルなビーチサンダルで、アーティスティックな人形やおもちゃを作っている風景に出くわしたのです。 それらの場面と、長年彼女が培ってきた想いや信念とが、Julieさんの中でピピッと化学反応を起こし、一つに繋がって生まれた会社が、uniqueco。ビーチサンダルから、アートやステーショナリーをはじめ、クライアントのオーダーメードにも対応するという、前代未聞の会社です。 「えーっ。脱ぎ捨てられた、誰が履いたとも分からない汚いビーチサンダルから製品なんて、どんなもの??」と一瞬思ってしまう方が多いと思いますが、例えば、アクセサリーはこんな感じで、ポップでおしゃれ。カラフルなアフリカの特有なテイストは残されていますが、ビーチサンダルの軽い素材が、従来の木などの重い素材で出来た、いかにも民族的といった感じのアクセサリーにはなかった、ユニバーサルで現代的なテイストとなっていると思いませんか? 現在の主なマーケットは、アメリカを筆頭に、オーストラリア、南アフリカ、イギリス、スウェーデン、フランス、、、ということです。日本もドイツも入ってはいませんでしたが、Julieさんも、「これからもっとインターナショナルに展開!」と力強く語っていましたし、コンセプトも背景のストーリーも、テイストも、ドイツでは、とても受けるのでは?という印象です。 実はこのuniquecoは、現在、シェル石油がスポンサーで開催のWorld Challenge2008という、グローバル&ローカルに貢献している企業を選ぶというコンテストの、ファイナリストとして残っている12企業のうちの1企業なのです。他にも、キルギスタンの、遊牧民の生活スタイルに合わせた“移動幼稚園”のビジネスをはじめ、ユニークな企業が勢揃い。そしてなんと、誰でも、「これっ!」と思った企業に同ホームページから簡単に投票できるのです。私も今日、投票を済ませました♪今月11日21日で投票は締め切りということですので、ご興味のある方は、お急ぎくださいませ。優勝した企業は、獲得賞金・名誉を通して、更なる発展の基盤をつくれるとの事。こうやって、世界のどこにいても一票を投じる事が出来る。繋がれる。・・・インターネットって本当にスゴイですよね。 さてさて、「起業のアイディアは、どこにでも沢山転がっている」。大切なのは、私たちの開かれた目と、ビジョン、世界観次第だなあと、つくづく思います。人が見逃してしまうものに、クリアなチャンスを見て、掴み取る。・・・これは、偶然というラッキーではなく、何十年も生きてきた中で培ってきた自身の哲学や信念が、“可能性”という形をもって目の前に現れるという、必然なのだということ。・・・今回のJulieさんの物語をみて、再確信した次第です。 また、大前研一氏も、イノベーションやブレークスルー、新事業が生まれるのは、「パーソン・スペシフィック&タイミング・スペシフィック(“その”人と、世の中の流れのタイミング)が出会う時」と言っています。有名な例として、アップルコンピューターの創業者、スティーブ・ジョブ氏のエピソードがあります。彼は、スタンフォード大学の大学生だった当時、将来のビジョンが見えずに自分探しのような危機感に陥り、正規の授業を抜け出し、ふと目に入った書道(カリグラフィー)のクラスに吸い込まれるように参加します。・・・その“寄り道体験”がなかったら、PCの黎明期にファンを虜にしたアップルの、あの美しい書体というイノベーションは、陽の目を見なかった・・・というエピソードです。毎日の全経験を、意識的に、直観に導かれながら、独自のパーソナリティーを磨いていく・・・そんな積み重ねが、これからビジネスパーソンとして、とても大事になっていくのではないでしょうか? 日本では、フェアトレードのブランディング化を手がけている企業として、マザーハウスの山口絵理子さん、People Treeのサフィアミニーさんが第一線で頑張っていらっしゃいますが、これから、デザインや素材がいまいちな典型的フェアトレード製品でなく、“発展途上国発の一流ブランド”を創出するというコンセプトの会社がどんどん増えてくると思います。 ・・・国籍を問わず、「創業者は圧倒的に女性が多い!」というのも興味深い現象で、とても素晴らしいことだと思います。 大いに、インスピレーションを受けたいものです♪
by mikiogatawestberg
| 2008-11-16 06:01
| ビジネス・Business
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