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ドイツも大注目の、トヨタ自動車米公聴会

トヨタ自動車の大規模リコール問題で、来週アメリカの公聴会に出席することになった豊田社長の一挙一動に、ドイツも大注目しています。

先日のドイツの経済紙・ハンデルスブラット↓では、
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「Toyoda macht Schluss mit Demut/豊田氏は、へりくだり(謙譲)に終止符を打った」

という見出しのもと、

今月9日に深く頭を下げる豊田氏(向かって左の写真)と、昨日の豊田氏(右の写真)を比べ、右側(現在)を、「口を固く結び、ほんの軽く体を前に傾けた姿勢は、彼の自信と自負心(Selbstbewusstsein)を示している」と分析しています。(東京でこの取材をした同誌の記者が、どれだけ日本の文化に精通しているのか分かりませんが、豊田氏の言動の意味を、ドイツ人の読者に分かりやすく伝えようとしている意思は感じます)

日本ではこの件について、報道はされていますが、ニュートラルな記事ばかりで、日本人として皆、どうして怒らないのか?私は不思議でたまりません。もちろん、死傷者がでたという事実は事実ですが、それ以上に、これは、環境自動車のトレンドに完全乗り遅れ、トヨタの成功や名声を羨んでいて、今回ここぞとばかりに、この事件で、可能なところまでトヨタのイメージや財政を打ちのめそうとたくらんでいる、アメリカの自動車メーカーやアメリカ人のいじめとも言える行為ではないかと思うのです。ロビー政府まで大きく関わっているところが、アメリカらしい汚さと非情さです(ちなみに私はアメリカに留学したこともあり、アメリカのポジティブさやパワーは基本的には好きですが、政府関連の欺瞞と保守性が嫌いです)。

ドイツをはじめヨーロッパ諸国は、基本的には(特に、戦争や環境問題に関して)、アンチアメリカですが、ドイツは、日本に続いて環境自動車の世界マーケットを率いているものの、同時に、まだ保守的な自動車産業のロビー活動が、アメリカと同様に大きな力を持っています

今回のこのハンデルスブラットの記事もそうですが、そんな背景もあって、トヨタを応援したい気持ちと、やはりやっかみの気持ち、そして、世界一の実力とステータスと名声を持つトヨタ社が、この問題に関してどういう行動を取り、今後どう舵取りをしていくのか?ということに対する純粋な興味・・・etc、複雑に絡み合った感情を持ちながらも、少し離れたヨーロッパ大陸から、斜め目線でこの一連の事態を冷静に観察しようとしているというのが、ドイツの姿勢という印象です。

豊田社長が背負っているものは大きいですが、この記事の写真を見ても、今の自分の一挙一動に、世界中の注目が集まっていて、それは、一歩間違えると、今後のトヨタのポジションや未来を大きく左右し兼ねないというリスクと責任を、十分理解しているように見えました。敢えて、アメリカ人のいじわるに触れず、卑屈にもならず、恐怖感や不安も決して出さず、

~名古屋市内で記者団に対して、「喜んで公聴会に伺い、誠心誠意答える。全世界に向けて、しっかりと原因究明への協力体制、安全性、顧客への安心感、信頼回復を訴えていきたい。(公聴会に)全面的に協力したい」(*YOMIURIより抜粋)~

と、言及したのは、とても戦略的に正しく、背負っているものはとてつもなく重いけれど、流石、世界一のトヨタの社長だと思いました。

今後の進展も目が話せません・・・。
by mikiogatawestberg | 2010-02-20 06:30 | インターカルチュラル
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