本日のFAZ(Frankfurter Allemeine Zeitung)の記事で、イタリア・ミラノの家具見本市のトレンドについての紹介がありました。
今シーズンのトレンドは、3つの言葉で、
「Natur/自然」
「Handarbeit/ハンドメイド」
「Minimalen Materialeinsatz/最小限の素材要素」
時間を経て、更に味が出てきた木材、手編みニットがかぶさったランプなど、
「Wohnen wie zu Grosselterns Zeiten/祖父母の時代のようなライフスタイル」
というのが、この記事のタイトルにもあるように、デザイナーとメーカーが発しているトレンドということです。
資源・リサイクル・環境問題、世界的な経済危機の世相から出てきたトレンド。
従来型のいわゆるグローバルファッションブランドが揺らいでいる中、「ブランド」という言葉の示す概念自体が、大きく動いているということでしょう。
物を買うことや所有することのステータス、意味自体も、変わってきていて、流動化している。
環境に配慮したものを買うこと、先祖代々伝わるものを大事に使い、次の世代に伝えていくこと・・・そんな個人の持つ価値観自体が“ブランド”となり、深い哲学や考え方をもって物を選んでいる行動に関して、人は、
「あの人はおしゃれ」
と判断する。もちろん、内面だけでなく、所持するプロダクトやその人自身の外面がスタイリッシュであることは必須。要するに、
ブランドがモノからヒトにシフトされてきているのだと思います。ブログやツイッターの興隆を見ても、ヒトに中心が移ってきているのを実感、パーソナルブランドという概念も定着してきました。
中身も外身も100%ずつ大事な世界になってきていると思います。
中身か、外見か・・・どちらかのゼロサムゲームでは、もう十分じゃないのです。
どちらも100%を目指す人が、チャーミングな人といわれる時代だと思います。