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PLUS JAPAN

先日、ドイツのポストバンクで並んで、ぼーっと郵便局内のTVスクリーン(大抵、ポストバンク初の製品やサービスのCMと、ドイツを中心とした最新ニュースがいつも流れている)を眺めていたら、いきなりこんな画像↓が登場して、びっくりたまげました。
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PLUS JAPANと大きく書かれたキャッチコピーの左横には、もう何度も見飽きた、滑稽過ぎるドイツ人の時代・感覚錯誤のGeisha(?!)イメージを、更に通り越すような、この意味の分からない日本女性(?・・・普通にキレイな方なので、何も変なメイクや仮装をせずに、そのままモデルとして登場した方が、全然良いと思うのですが・・・)のコラージュ?????!!!!!

せめて、日本への義援金・寄付金集めを、ポストバンクが公に始めた・・・ということであって欲しい、と祈るような思いで(苦笑)、観続けたのですが、これは、日本のプラス株式会社というステーショナリー(文具メーカー)の文具のコマーシャルだったということで、唖然としてしまいしました・・・。ポスト内を見回すと、このプラス(Plus)の文具が置いてあるコーナーが新しく出来ていました。ドイツの拠点は、デュッセルドルフにあり、製品は、よく見てみると、デザインも良いし、環境にも優しい、優れた製品のようです。
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日本の文具の品質も素晴らしいですが、ドイツも文房具王国なので(メーカーも、デザインと環境配慮の両方を備えた大御所ブランドが、既に沢山あり、ドイツ人も文房具好きな人がとても多し!)、Plusとしては、かなり勇気のあるドイツ進出だと思うのですが、販売拠点として、ドイツ全国規模のドイツポストを既に押えた!というのは、すごいことだと思います。

だからこそ、この的外れな広告に、再度落胆してしまいました。もう一度よ~く見てみると、目の下の睫毛?アイライン?と思える黒い部分は、黒い羽がついていて、これは、「日本からドイツへ飛んできた?商品+サービス」、もしくは、ドイツでは依然と文房具の王様のステータスを誇る「万年筆」のイメージから発想された、奇しくも、日独文化融合の成果(?)・・・ということなのかもしれません・・・としか、言えません。ちんどんやチーク、リップメイク(ペイント)に関しては、もう何も言いたくありません。ノーコメント。

国ごとのニーズやテイストに合わせた、ローカルマーケティングはもちろん必須ですが、それでもその国で、広告を担当する人のセンスや感覚が、既に乗り遅れているものである場合がある(=その国の消費者と同じレベル、或いは変に受けを狙おうと、時にそれ以下のレベルとなっているという、恐ろしい場合も・・・。現にドイツ人の多くは、もう既に、面白おかしい日本人イメージの次のイメージを求めている段階に来ていると思います。例えそうでなかったとしても、多額を投じても打つべき広告とは、ブランドや製品のイメージを上げるべきのものであって、決して下げてしまうものであってはいけないと思うのです!)・・・ということを、これから世界展開するメーカーや企業は考慮していく、そのまま丸投げにするのでなく、常にポジティブな意味での猜疑心を持ちながら見ていく、他からの視点や意見(例えば、その国に住んでいる日本人、日本人経営の現地企業などのコンサル)を平行して得て、多角的視点で判断、決断していくという姿勢が、マーケットの確立、長期的な成功に当たって、不可欠になってくると思います。特に、震災・原発事故後の今、実力のある日本メーカーの展開が、ただでさえも厳しくなっているからです。

・・・・・ということで、少し残念に思った事件でしたが、その分また、新たな気付きがあり、国際ビジネスでの課題について、意識を新たにするよい機会となりました。
by mikiogatawestberg | 2011-08-30 22:18 | ドイツ的価値観・German Value
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