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ドイツの本格&伝統 クリスマスツリーセレモニー

自然が大好きなドイツ人のクリスマスツリーは、彼らのこだわりと、ドイツ的価値観が沢山詰まっています。

もみの木は、必ずホンモノ。ドイツ家屋の高い天井にピッタリ届くくらいの大きなもみの木を、毎年、もみの木マーケットで探し出すところから、スタートします。そしてライトアップも、必ずホンモノのキャンドル。「イギリスやアメリカの、プラスチックの電気ネオンの光とは違うのよ!」と、自信満々に語ります。
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ムードと自然を、クリスマスという1年の最大イベントに、最重視するドイツ人。この「ホンモノもみの木」+「キャンドル」という組み合わせは、本当に美しく、うっとり惹き込まれてしまうのですが、現実は、火を灯されたキャンドルはどんどん短くなり、ちょっと目を離した隙に、炎の熱さで乾ききったもみの木に、燃え移って、火事が発生・・・なんてことも、この時期、実際本当に多くあるので、実は危険と隣りあわせなのです。

石橋をたたいて渡る、慎重派で世界に知られるドイツ人が、ここまでの危険(!)を冒してまでも、クリスマスツリーにはこだわりを貫きます。お餅を喉につっかえてしまうかも?という危険性がありながらも、お正月には必ず御雑煮を頂く、日本の文化のドイツ版といったところでしょうか?!実際、火事を出してしまったり、お餅を喉に詰まらせてしまい救急車で運ばれる、、、というのは、多くがお年寄り・・・といったところも、隠れ共通点かも知れません。

・・・それでも、1回でもこの美しいクリスマスツリーを知ってしまうと、やはり他の電気のツリーは、どんなに大きくても、どんなに素晴らしい飾り付けをされていても、やはり安っぽく見えてきてしまう・・・というのは、私自身が体験しました。もみの木の緑の香り、ゆっくりとムード一杯に時を刻むキャンドルの優しい光。流れゆく時間が空間と溶け合い、普段と違うハレの日をつくりだします。

このドイツのクリスマスツリーは、点灯にも特有のステップがあります。

天井に届くほどの高さのツリーで、上の方のキャンドルに余裕で点灯できるのは、我が家では、身長196cmの主人のみ。そんな彼でも、1番上のキャンドルには届きません。・・・それで、用いるのがこのツリー点灯用の、ロングマッチ棒です。
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全部のろうそくに点灯するのには、ロングマッチ棒でも、6本を要しました。
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火事にならないよう、必ず誰か1人は常に、点灯中のツリーのある部屋にいるのが、原則。ろうそくの長さが、残り数センチのところで、ベル型シルバーを、上から被せて、火を消していきます。
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これを、24日の夕方から夜にかけてのクリスマスのパーティー中、何度か繰り返します。

そして、翌日の25日も、また同じように楽しみます。

クリスマスツリーセレモニーには、ドイツ文化の厳かさと伝統を感じます。
by mikiogatawestberg | 2007-12-25 23:04 | 文化・Culture・Kultur
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