カテゴリ:環境・CSR( 17 )

日独シンポジウム「エネルギー貯蔵材料」

日独シンポジウム「エネルギー貯蔵材料」(Deutsch-Japanisches Symposium zum Thema Energiespeichermaterialien)に、行ってきました。

会場は、ゲーテの原書が保管されているとも云われている、フランクフルトのドイツ国立図書館
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中はこんな感じ↓です。
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テーマはかなり専門的なのですが、日独のトップレベルの同分野の専門家、研究者、大学教授、起業家など、様々な視点から、なんと11のプレゼンテーションがありました。どれもとても興味深かったのですが、特に心に残った幾つかをご紹介します。

花房寛工学博士による、(株)三洋電機の「Smart Energy System」などに関するプレゼンテーション。
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まず、地球が持続可能に存続するためには、二酸化炭素の観点から言えば、江戸時代(産業革命の時代の280PP)に抑えなくてはならないという事実。そして、今の私たちの地球上での生活、活動を江戸時代に戻すことは不可能、という事実。イコール(=)これを放っておいたら、地球は破滅・・・というシナリオ。生き残るためには、人間の知恵とテクノロジーと共感・協力を通して、解決に向かうしか、もう道は残されていないのです。

そんな意味でも、(株)三洋電機が開発した、「Smart Energy System」は画期的なものがあります。簡潔に仕組みを説明すると、

「ソーラーなどの代替エネルギーの問題の大きな一つは、自然の力を使うので、供給の安定性に欠けること」→「供給安定に必須なのが、EnergyStorage(エネルギー貯蔵)の技術・・・」→それを解決するのが、このSmart Energy System。
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と、背後にあるテクノロジーはものすごい複雑なものなのですが、原理はとってもシンプルなのです。個人的に、すとんと、理解が深まりました。既に同システムには、218の特許を取得しているというから、素晴らしいです!

そして、実践例も↓。
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震災後の今年夏の節電の時期を、三洋では実際にこのシステムを使うことで、7月、昼のピーク時、17%の節電に成功したということでした。

こちらは、今、世界的に急成長中で、BMWをはじめ、ビック顧客を持つ、」電気自動車用のバッテリーソルーションを提供する、フランクフルト郊外ダルムシュタットに本社を置くAkasol Engineering
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社長のFelix von Borck氏は、若干40歳!15年以上前に、電気自動車の時代の到来を予感し、メカニックエンジニアを勉強した後に起業した、ヴィジョンと情熱溢れる成功者です。

個人的に惹かれたテーマは、バッテリーリサイクルのテーマ。リーディングカンパニーである、umicoreの興味深いプレゼンテーションでした。
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使い捨てバッテリー、無駄、危険の悪循環をストップし、サステイナブルなループを作らなくてはならない・・・というビジョンと発想の起点が、

「発展途上国で、現在バッテリー関係の仕事で搾取にあっていたり、健康を害している人々・・・という歪んだ構図、そしてこれをどうにか変えなくてはならない」

という、ニューマンなところにあるところが、気に入りました。

最後に福岡県フランクフルト事務所の所長山田氏による、「水素エネルギー社会の実現に向けた福岡の挑戦」というプレゼンテーションもとても興味深かったです。
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歴史的にオープンで、アジアに大きく開かれた福岡は、環境都市という目的に向かって、まっしぐらであるということ!沢山新しい事を学べました。

首都・東京を介さない、地方都市の個別的な発展、直接的な海外との関わり・・・という視点は、日本の未来にとって、大きなキーワードになるのではないかと思います。

最後にこのシンポジウムで気付いたこと:
プレゼンターは、ドイツ語か日本語でスピーチし、参加者はヘッドフォンで同時通訳が入るのですが、パワーポイントのプレゼンは、全プレゼンターが英語で統一という形でした。・・・確かに、ビジュアル資料をバイリンガル(ドイツ・日本語両方)で表記した場合、特に漢字などでごちゃごちゃ感がある日本語と、一つ一つの単語や文が長いドイツ語が所狭しと並ぶことになり、とても分かりにくい資料になってしまう可能性が大ですね。ただでさえ専門性の高い分野ということで、シンプルに言葉や図を配置する・・・というところに注意を払うのは、成功するプレゼンのベースだと思いました。そんな意味では、“英語”という言語は、すでに常識という世界でしょう。日独技術のトップレベルの世界では、流石に言語的にも合理的に調整されている点が、素晴らしいと感じました。

おまけ:会場前に設置されていた、三菱、オペルなどの電気自動車。試乗も出来ました。
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by mikiogatawestberg | 2011-11-09 00:37 | 環境・CSR

エネルギー エフィシェンシー見本市 in FFM

先週、「Energy efficiency “Made in Germany”」見本市に行って来ました。
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今年は、開催5年目。見込みビジター数は1500と小規模ですが、かなり専門に特化した見本市で、主にビジターの3分の2が、企業の中でのDicision Maker(決定者)の立場にいる人々ということで、規模と比較して、影響力の強い見本です。展示やブースは、やはりとっても専門的でしたが、厳選の、非常に興味深いものばかりでした。The City of Yokohama Frankfurt Representativeさんのブースは、入り口すぐの真正面にあり、堂々たる存在感でした。その後、エキサイトで、省エネ技術とアートでつくる「スマートイルミネーション横浜」についての記事をみつけました。目に見える形で、どんどんと掲げた未来ビジョンが現実化しているところが、すごいと思いました。

おまけ*会場のドイツMainovaブースで、作ってもらった、顔のサーモグラフィ。
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ちなみに、鼻のところが冷たいのは、女性によく見られる特徴だそうです。男性バージョンを見てみると、確かに殆ど皆、頬やおでこと同じくらいの温度が・・・。特に太った男性は、殆ど100%、鼻が真っ赤(熱い)ということが判り、面白い発見でした。
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by mikiogatawestberg | 2011-10-11 00:28 | 環境・CSR

Toys go green ニュルンベルグ国際トイフェア2011

ドイツ・ニュルンベルグで毎年2月に開催される、玩具の国際見本市“Toy Fair"(2月3~8日)に、足を運んできました!

フランクフルトからは、ICEで2時間半くらい。朝早くから、続々と世界中から業界人・バイヤーが集まってきます。

ポスターには、たくさんの可愛い玩具が集まった夢のような国のイラストに、
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「Experience What Others Dream of!(他の人が夢見ることを、体験する!)」

とのコピー。特別な気分にさせてくれます・・・

そして、今年のトイフェアのスローガンは、

Toys go green!~on the Road fo Success with Sustainable Toys(サステイナブルナ玩具で、成功への道)~

です。遂に国際玩具業界にも、サステイナブルなビジネスが本格浸透、大きく掲げられたということで、今回のフェアの最大の見所であり、注目ポイントという感じで、とても楽しみでした。

入り口を入ると、正面にまず、Toys go greenの、特別展示スペースがある配置です。
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オーガニックコットン、認証・サステイナブルウッド、リサイクル&安全プラスチックなど、サステイナブルな玩具というと、まず“原料・素材が、サステイナブルである”・・・というのが、平均的に私たちが思い浮かべるイメージである・・・ということが、今回のToys go greenプロジェクトチームのアンケート調査などからも出て来ていますが、サステイナブルな玩具の定義というのは、全てを統括するコレと決まった法律や決定事項が現時点であるわけではなく、ちょうど、業界と消費者と世の中の動向を結び、より合わせながら、現在進行形で手探りで形作られているスタート段階というのが実情です。

Toys go greenの掲げるサステイナブルとは・・・
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Packaging(パッケージ)、Material(素材)、Suppy Chain(サプライチェーン、流通)、Content(内容)でなる、1本の木のようなイメージ。

それぞれのキーワード毎にコーナーになっていて、出展者の実際のサステイナブルな玩具たちと、具体的な説明などが展示されていて、見学者の理解やイメージを拡げ、助けてくれます。
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私が特に興味をひかれたのは、Content(コンテンツ/内容)のコーナーでした。
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「サステイナブルな玩具というのは、サステイナブルな価値観を子供に伝えていくという教育的要素を内包している」・・・というイメージから、玩具のコンテンツが重要になってくるわけです。確かに、玩具業界の大人たちが、サステイナブルな素材で玩具をつくって、サステイナブルな包装をして、サステイナブルなサプライチェーンを通して製造~販売を貫徹しても、その玩具を購入し、それで遊ぶ肝心の子供たちが、サステイナブルな価値を学ぶことがなければ、それは将来的に継続するサステイナビリティーとは言えないということでしょう。また、小さな子供たちに、そのままサステイナブルな玩具が出来る過程を言葉で説明しただけでは、子供たちの気持ちや興味を十分ひきつけることは出来ず、そこでは“玩具自身のエンターテイニングな力を借りなければならない”という訳です。遊びを通して学ぶというのは、数や世の中の物事を学んでいくのと同様、“サステイナブルな価値”についても当てはまる・・・という、パズルがカチッとはまったようなうれしい発見でした。

ヨーロッパの子供たちに人気の木のドールハウスは、家の中や周りにも緑が溢れ、ソーラーパネルや、風車がついています。
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Toys go green休憩コーナーのテーブルは白樺、ソファーベンチは、木と厚紙のコンビネーション。
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フェアの後半日程くらいになると、前半に比べると、ベンチにちょっと疲れが見えましたが・・・
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役割は十分果たしています。

フェア全体の印象としては、ヨーロッパの老舗玩具ブランドのエコ・サステイナブルアピールがとても上手くいっている感じでした。今回、Toys go greenスローガンと平行して、注目されていたBest of china。特設会場も用意されていました。
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国際的な玩具業界では、国、ブランドイメージや商品価格の高低に関わらず、その殆どが、全体的、もしくは部分的に、製造の段階で“中国”と関わっています。“サステイナブル”という言葉と同じくらい大きな意味を持ち、世界全土に影響を持つ、もう一つのキーワードが“中国”であるという事実を、今回のフェアで、色々な出展者と話をするうちに、ますます確信しました。成長の“中国”、維持・見直しの“サステイナブル”・・・一見相反しそうな、二つの大きなキーワードですが、ヨーロッパが発祥で、ヨーロッパに本社があり、経営者がヨーロッパ人で、中国を製造の大きなベースにしている企業などは、ヨーロッパ的なサステイナビリティの価値観が組み込まれたシステムで構成されていて、ブースのスタッフは全員、製造現地・中国からのスタッフだったりするのですが、ヨーロッパ的なサステイナビリティの価値観が彼らにも最初から浸透していて実際のビジネスが動いていることを実感し、良い予感がしました。

このようなケースは、最初からワールドワイドな価値観を共有できるので、かつて急成長を経験した日本やヨーロッパなどが現在のサステイナビリティの価値観を得るまでにした痛い経験や失敗を、自らしなくとも、スキップできるわけです。これは、ヨーロッパ企業で働く中国人にとってもラッキーなことだし、地球にとってもうれしいこと。このようなグローバル企業では、既にインターナショナルなメンバーでマーケティングチームがつくられていて、マーケット対象は世界の国全部・・・という、とてもエキサイティングな動きがあって、素晴らしいと思います。こういうグローバル企業を、今後もっと応援していきたいと思っています。

全体的には、やはりヨーロッパメーカー・ブランドに、木やオーガニック素材、フェアトレードを貴重としたやさしいプロダクトが多く、アジア方面ブースになると、プラスチックが増えて、ごちゃごちゃとした感じになり、フェア会場の空気も、合成品特有の臭いがこもった感じで、私は喉が痛くなってしまいました。

とにかく、トイフェアという大規模な国際玩具フェアで、トップダウンでも“サステイナブル”が、スローガンになり、大きく告知・明文化されたことで、今後、このサステイナビリティという価値観はまず不動、どんどん成長してくることは間違いないと思います。
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by mikiogatawestberg | 2011-02-08 22:49 | 環境・CSR

サルス社・グレイザー社長の、85歳の誕生日プレゼント

最高級のハーブ・自然医薬製品のパイオニア・トップブランドであり、CSR企業としても世界に知られる、ドイツ・サルス社のオットー・グレイザー現社長は、今年のご自身の85歳の誕生日に、

「サルス ジャーナリスト賞(Salus-Journalistenpreis)」

の開催を、宣言されました。

今までにない、非常にユニークなプロジェクトで、内容は、

今や、動物、植物、農業、食品産業界に、資金力と規模を誇るグローバル企業数社が、特許の力と第三諸国の貧困をリバレッジにして、大きな勢いで広がっている「遺伝子組み換え技術」に対して、ジャーナリストとして、公正かつ勇気を持ってこの危険性を指摘し、書籍や映像などのメディアで公けに公開し、一般の人々のこのテーマに関する関心を喚起することに成功した人に、同現社長が、賞、及び賞金を授与するというもの。

大賞は一人で、賞金は3千ユーロ、もう一つの特別賞は、30歳以下の将来の展望のある若手ジャーナリストのみ対象で、こちらの賞金は1500ユーロ。日本円にすると、大賞が40万円弱、特別賞も20万円くらいと、決して大きな額ではありませんが、素晴らしいのは、同社長の、このプロジェクト自体のアイディアと、これを、ご自身の誕生日プレゼントとしてしまう、懐の大きさと豊かさだと思います。

スケールもレベルも全然違いますが、もともとドイツでは、自分の誕生日は、

家族や友人や知人に「祝ってもらう」のでなく(例えば沢山のプレゼントやケーキやサプライズを期待するということ)、誕生日を迎えた自身が、例えば会社員であれば、自腹で職場に同僚全員分のケーキを用意して出社したり、40歳、50歳など、大きな節目の誕生日では、これまた全て自分のお金で、ホテルや場合によってはお城なんかを借り切ったりして、結婚式並みのパーティーを開催したりするという習慣なのです。

誕生日とは?=「この世に生を受けることの出来た幸せな自分が、その幸せを感謝を込めて、人々になんらかの形でギブバックする」

つまり、受ける(テイク:take)でなく、与える(ギブ:give)なのです。

・・・このドイツの習慣の中核にある精神は、数あるドイツの習慣やドイツ人の考え方の中でも、私が大好きなものです。・・・話が逸れてしまいましたが、このグレイザー社長のプロジェクトも、ドイツ人としての根幹の価値の上に、社長の人格、経営者、社会貢献者としての卓越性が加わって誕生したものと言えるかもしれません。

このサルス社主催の、遺伝子組み換え技術がテーマのジャーナリスト賞の話は、実は私は先日、いつも拝読しているオーガニック系の雑誌の中のプレスリリース欄で知ったのですが、どうしてそこまで惹かれて、感動したかというと、、、、、

話は、昨年夏まで、遡るのですが・・・

サルス社本社のあるブリュックミュールまで出向き、サルス社とグレイザー社長の独占インタビュー記事を書かせていただくというお仕事をさせていただきました。
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そのお話の中で、今、一番社長が憂いと心配を感じていて、緊急性を要する問題だとおっしゃていたのが、この世界に急速に広がる「遺伝子組み換え技術」の問題だったのです。
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これについては、単に心配だ、と仰るだけでなく、既にサルス社として、また個人として、行動を起こしていて、どうにかするつもりだ・・・と、宣言されていたのです。その時はこのジャーナリスト賞の案など具体的なことは仰っていませんでしたが、その発言をされた時の、社長の何かを強く決意されているような厳しく、優しい表情が、私はずっと忘れられなかったのです。

そして今回、それからちょうど一年後に、このサルス社からのプレスリリース。

有言実行、アイディアから実践までのスピード

本当に素晴らしい社長だと、ますます尊敬と憧れを覚えました。

去年、取材を終えてから頂いた、社長直筆サイン入りのお手紙は、私の宝物です♪
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また、インタビュー後、私自身、この遺伝子組み換え技術の危険性への関心が、飛躍的に高まり、それ以後、社長に教えていただいたDVDや書籍などで、勉強を続けています。
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ドイツでは、団体としては、グリーンピースが、この問題にかなり本格的に取り組んでいます。日本では関心の高さも、情報もまだまだと感じています。私も少しずつ取り組んでいるので、これからブログなどで、発信していけたらと思っています。ご興味のある方は、一緒にぜひ勉強していきたいと思いますし、私の知識の範囲でのお答えも出来ますので、ぜひぜひご連絡くださいね♪
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by mikiogatawestberg | 2010-08-05 19:25 | 環境・CSR

オルタナプレミアムvol10「欧州のCSRは見える化へ」掲載

雑誌オルタナより、更に専門性の高い環境・CSR情報を満載した、専門家・担当者向けである有料PDFニューズレター・本日配信の「オルタナ・プレミアムvol10」で、
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特集「欧州のCSRは「見える化」へ─世界、そして日本に広がるか?」というタイトルで、ジャーナリストとして、2ページの記事を執筆させていただきました。
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内容はかなり玄人向きですが、まだ日本では殆ど情報のない、急発展する欧州のCSRの現況について、概観と今後の見通しを、書かせていただきました。本格的に、環境やCSRにご興味にある方は、機会があればお読みいただければとてもうれしいです。
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by mikiogatawestberg | 2010-07-16 00:21 | 環境・CSR

ドイツのロハス会議KarmaKonsum

ドイツでロハスを率いる、フランクフルトベースのグループKarmaKonsum主催のコンフェレンス(会議)に参加してきました。

開催場所は、フランクフルト証券取引所建物内、IHKのコンフェレンス会場。
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年に1回のイベントで、今年は4回目ということですが、毎年ぐんぐん参加者数を増やし、今年は300人弱がドイツ国内から、訪れました。
今年のテーマは↓
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参加者は、フェアトレード、オーガニック、環境ビジネス、起業家など、様々。
朝9時に会議がスタートし、KarmaKonsumの、ノエル氏が挨拶。スポンサーを紹介します。
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ヨーロッパ大陸の金融大都市のフランクフルトでは、多くのイベントが巨大バンクのコメルツ銀行やドイツ銀行、保険会社関連ですが、今回は、オーガニックコスメでおなじみのドクターハウシュカをはじめ、規模の小さい環境系の銀行等が主なスポンサーです。

冒頭では、同様にこのイベントをサポートしている、フランクフルトの政治家からも挨拶がありました。

どうして、このロハスの大きなイベントが、環境都市であるフライブルグや、文化や新しい動きの象徴でメトロポリタン都市のベルリンでなく、金融の大都市フランクフルトなのか?

・・・会場の誰もが、疑問に思っていたこと(私も含めて)。

それは、

「もうロハスの運動は、マイノリティーを脱して、本格的にメインストリーム入りしなければならない段階に来ている。資本主義を変えるには、資本主義の象徴、金融の核である「フランクフルト」を変えていかなければならないから、ここで勝負をし、大きな運動につなげていくことが大事である」

と、強調していました。

納得、納得。フランクフルトは、環境系のビジネスのスタートアップが増えていて、また新しい動きに敏感である一方、化学系の企業も多く、そして、誰もが知っているように、金融・経済危機の根本原因をつくった銀行が世界中から集まっているという、矛盾の中にある都市。私自身、10年前にフランクフルトに来た時、銀行でキャリアをスタートし、それから環境系のビジネスを起こしたというキャリアなので、この矛盾は痛いほど、身にしみて分かる。でも、一方でこれからの世界の複雑で答えのない問題を解いていくには、この相反する2つの世界の現実を両方知っておくことも、不可欠。そして新しい形の資本主義へ移行していくときの、痛み、不安、軋轢。そんな、矛盾の中でこそ生まれるクリエイティビティーがあるのです。

・・・最初から、個人的な経験と合わさってしまい、既に感動の波がぐぐっと来そうでしたが、抑えて、周囲を観察。
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いかにもドイツのエコって感じの人もいれば、いまどきのおしゃれ系の若者もいるし、リタイアした年配のエレガントなおじ様もいらっしゃる。・・・でも全体として、とても爽やかなエネルギーで溢れた感じで、これは、普通のドイツの雰囲気というより、LOHAS発祥のカリフォルニアの雰囲気に近い感じです。KarmaKonsumのもう一人の代表者、クリストフ・ハラッチ氏は、正にこの新しいドイツのロハスのイメージキャラのようになっています。
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会社経営者であると共に、ヨガの先生で、ファッショナブルで、Locker(ドイツ語:フランクでリラックス、英語だとeasy goingという意味)というパーソナルブランドを打ち出して、若い層を惹きつけているのです。(私から見ると、偽カリフォルニア?という感じですが・・・苦笑。)おそらく意識的に、そのようにセルフプロデュースしてると思うのですが、そうすることで、「エコ」=「ださいくて、頑な」というイメージを脱して、エコはかっこよくて、最先端、メインストリームというPRになり、ますますこれからこの運動を担っていかなければならない、ドイツの若者を多く取り込むことが出来ます。(この辺りは、日本とも少し似てますよね)
飲み物や、軽食も、全てオーガニックメーカーのスポンサーからの提供で、豪華でした。
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この人を生で見れただけでも、この会議に来た甲斐があったな~と思えたのは、オーストリアのオーガニックハーブメーカーSonnentorのヨハネス・グートマン氏のスピーチ。
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ご覧になっても分かりますが、本当に世界に一人しかいないような強烈な個性。スピーチの題も、「クレイジーパーソンから、サクセスパーソンへ」という、自身についてが題でした。故郷のオーストリアで素晴らしいオーガニックハーブの会社を運営し、世界的に成功している経営者で、見かけはこんな↑ですが、口を開くと、話に一切無駄がなく、声にエネルギーがあり、温かく、とても頭の回転が速い方。かっこいいです。

彼が、起業するきっかけとなったのは、失業中に出会った、オーストリアのおばあちゃん。中世の修道女ヒルデガルドのハーブをはじめ、ハーブや自然に対して深い知識を持ち、何より労働や人間へのエネルギーと愛に溢れた女性。
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Sonnentorのレシピや製品は全て、そんな世代に受け継がれた伝統やストーリーが盛り込まれているところが成功の源になっているのです。その情熱を世間にコミュニケーションすることを可能にしているのが、グートマン氏の才能と力量。このおばあちゃん、80歳を超えているそうですが、依然として現役でSonnentorの成功を裏で支えているそう。

最近は“オーガニックのグローバリゼーション化”といって、次々に従来的企業が、資金力で表面的なオーガニックへ乗り出し、小さな本物のオーガニックカンパニーが危機になるのでは?と心配されていますが、グートマンさんは、「本物は伝わるし、生き残る」と、全身から自信が漲っていました。・・・全力と全霊、愛を注いでうそのない仕事をしているからこその、自信なのでしょう。

Sonnentorは、小さいながら、決して地味に留まることはなく、最近はフラッグショップや、フランチャイズなどのビジネス手法もどんどん採り入れて、ヨーロッパ各地で成功を治めているのです。これからも、ますます栄えていくという、確実な勢いみたいなものを感じました。
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最後にグートマン氏は、今では彼のトレードマークにもなっているという、なんと今年80歳を迎えた皮のズボン姿を披露してくれました。実のお父さまから受け継いだのだそうです。
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キャー、やっぱりクレイジーですね~。これをかっこいいと思ってしまう私もかなりクレージーだと思いますが(笑)、これからもこのまま突き進んで欲しい!と思いました。とにかく彼の強烈な個性に、会場中が、ノックアウトされてしまったような、エネルギッシュなスピーチと存在感でした。

その後は、アカデミック界やジャーナリズム界、政治界、芸能界などからのゲストのスピーチやプレゼンがありましたが、、、はっきりいって、どれもキック力に欠けている感じでした。
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アカデミックの世界は、元々、実践が伴わない理想論になる傾向がありますが、「ロハス」は、テーマがテーマだけに、もっとそれが「当たり前」なつまらない話になってしまい、自分がリスクをとらない分、批評家的な姿勢から脱することが出来ないのです。また芸能界などからの視点は、自分のイメージアップなども兼ねているので、内容の深さと知識に欠けている。・・・人の注意をひきつけたり、プレゼンテーション力はあるので、必要な存在ではあるのですが・・・

やっぱりこう見ていて、私は社会起業家的なビジネスマンが一番好みだな~と、思うのでした。そういう人を、男女問わず魅力的だと思うし、自分も、まだまだだけど、人生の最後まで、実践の人でいたい。

「自らリスクを取り、常に生き残りのため、新しいことに挑戦しながら、社員や地域をはじめ、他の人や社会のために、エネルギーを注ぐ」

・・・常にそうでないと、起業家としてやっていけないので、そのあたりの緊張感と、不安の中でも決断していくという人生への姿勢が、湧き出てくるエネルギーと切れる脳みその秘密なんだと思います。

また、私は知りませんでしたが、ドイツでは有名な音楽グループも登場しました。
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中央↑の男性のTシャツにあるよう、3人で、ドイツはベルリン、ケルン、イスラエルや他の外国の都市で、一日中、街中のストリートに座って瞑想するという、

「タダ、そこにいる。now and here」

という、体験をしたそう。

このコンフェレンスでも、休み時間の合間にビジネスヨガのセッションなどもありましたが、ロハスに、ヨガや瞑想はセットのようなものです。ドイツでは、大企業のトップやマネージャーは、決まってからだがとっても固いとのこと。頭と体は繋がってますからね。・・・そういう意味で、KarmaKonsumのハラッチ氏が、経営者であり、ヨガの先生というプロフィールは、現在の資本主義社会では十分異色なのです。

締めくくりは、起業家のコンテスト。5人のファイナリストで、大賞に選ばれたのは、自分の故郷で、オーダーメイドのオーガニックファッション店を経営する女性でした。全て素材はオーガニックで、製造から消費まで全てドイツ内の地産地消、CO2問題と、賃金、地域の女性雇用と経済の活性化に貢献したところが、受賞のポイントでした。
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プレゼンターの感想、

「街中の大きなグローバルブランドチェーン店で、たった5ユーロや10ユーロのTシャツを買ったときに思うこと。これを自分がお金を出して買っても、これをつくったインドや中国の労働者(時に子供たち)を、喜ばせるどころか、ますます苦しませることになってしまう。そうであれば、全てドイツ内で、例えば産休中でフルで時間が取れず、でも空き時間に、社会と接点を持っていたい、仕事のスキルや情熱を忘れたくない、誰かのために自分の能力を活かしたいと考える、ドイツ人女性の雇用を助ける方が、どんなに、消費者としても、気分が良いか・・・」

尤もです。「何を買うかは、今ではグローバルな政治活動」と言える、大きな例でしょう。

そういう意味では、1円、1セントも無駄使いしたくない、そんな姿勢でいたいです。
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by mikiogatawestberg | 2010-06-28 17:24 | 環境・CSR

オルタナ環境・CSR経営世界ベスト100入りした、ドイツ企業10社

告知が大変遅くなってしまいましたが、

ジャーナリストとして寄稿させていただいたいる、急成長の優良雑誌「オルタナ」、記念すべき3周年号の、
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「環境・CSR経営 世界ベスト100社」特集で、

ドイツ企業を調査、選別、推薦させて頂き、見事選ばれた10社についての紹介文を担当させていただきました。

もう発売後ですので、ドイツ企業のみ、以下、公表させていただいちゃいます!

○ゲパ
○ウンベルトバンク
○ケルヒャー
○タウトロッフェン
○ヘスナトゥーア
○ダイヒマン
○ゲベコ
○サルス
○オリジナルフード
○フンメル・エネルギーシステム

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以上10社です。毎回、とてもやりがいのある有意義な作業で、わくわくさせてもらっています。

3年前の創業時から、お手伝いさせていただいているオルタナ誌は、この雑誌不況の中、ぐんぐん成長し、勢いを増している注目の雑誌です。メディアという以外に、環境・CSRを軸に、イベントやフォーラム、ビジネスなど、色々と展開しているのも、成功の秘密だと思います。そして、とにかく、熱い想いとビジョンを持った編集部と執筆者で構成されているので、内容が深く、本当に面白いのです。この手のテーマにありがちな専門に偏った無機質な内容でなく、心が躍ったり、揺り動かされたり、気づきを得たり、ほんわかする気分になったりする内容が盛りだくさんなところも、新しいところです。読者も、主婦、起業家、学生、企業のCSR担当者など、多岐に渡って多様なところも、この雑誌の人気と、強さと、今後の更なる発展の可能性の大きさを示唆していると思います。これからも、もっと寄与していきたいと思っています。

まだお手に取ったことがない方、ぜひ今度読んでみてくださいね。

・・・ちなみにこの3周年創刊号、既に完売状態で、今手に入らない状態なのだそうです。次からはお早めにご購入を!
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by mikiogatawestberg | 2010-06-03 07:27 | 環境・CSR

投資家に熱望されるサステイナブル・ビルディングの需要

こちらも↓同様に、本日26日のハンデルスブラッド紙の、コンストラクション(建設)ファイナンスページの特集記事。
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タイトルに“Nachhaltige Gebaeude gefragt(サステイナブルビルディングの需要が上昇)”

とあるように、環境問題からの視点でだけでなく、投資対象(ファンド)として、投資家からサステイナブルビルディングの増加が望まれている・・・というというところに大きなポイントがあります。

具体的には、

「サステイナブル・ビルディング(又はグリーン・ビルディング)は、通常のビルに比べて、約10%負担が少なく、また同時に、賃貸料は13%多く取ることが出来る」(*Fondsmediaの最新の調査結果より)

また、

「管理費、エネルギー、水道、ごみの処理などのオペレーション費は、通常ビルの約3分の2」

ということです。

「環境に優しく、効率・合理的、そして、ドイツでは非常に生活費として負担となっているオペレーション費を、現在の3分の2に節約できる」

となれば、大抵のドイツ人は飛びつきます。

意識や教育レベルが高い人限定で、今まで贅沢であったサステイナブルビルディングが、この実際的な数字と内容、説得材料の全体を見ると、まさに大衆化目前といった状況と言ってよいと思います。

「単なる一部の人々の哲学や理想、それに付随した趣味やこだわり領域でなく、サステイナブルな家やビルを建てることが、実際的にコスト的にぐんと有利」

エコ、サステイナブル、オーガニック、全て一連の動きは、このサステイナブルビルディングのような流れとモデルをつくるように、戦略立てすることが、ビジネスとしての成功と環境問題の解決への貢献、両方にとっての決め手になるのではないかと思います。
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by mikiogatawestberg | 2010-04-27 17:09 | 環境・CSR

在ブリュッセルJBCE(CSR部門)のEU政策における影響力

飛行機が一機も飛んでいない晴天のフランクフルト、月曜朝。

恒例の日独ビジネスランチに行って来ました。

今日のゲストは、在ブリュッセルJapan Business Council in Europe(JBCE) のCSR部門議長の木下由香子氏。飛行機が飛ばず、急遽今日の会議のために、早朝ブリュッセルから電車で駆けつけてくれたのです。

ヨーロッパ政治における影響力(how we contribute to the European Policy)という、実は国際政治学部出身で、最近、ドイツのCSR関係の仕事も多くさせていただくようになった私にとっては、実に興味がある活動とテーマでした。
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まずお話は、CSRという概念が、いかに新しく、また一つの言葉で定義づけが難しいという事実の説明がありました。

Corporate Governance, Employment, Donations, Human Rights, Social Contribution, CO2 Emissions, Compliance, Bio diversity

など、一つ一つは決して新しい概念でない一方で、世の中の流れによって、「これらの概念の複雑な組み合わせ」+「まだ名のない概念」で、形作られつつあるもの、それがCSRであり、よって、個人や企業、国や地域によって、イメージするものが異なってくる・・・というのが、今回のテーマの正に核となる部分なのです。

まず、「ヨーロッパでCSRという言葉が使われるようになったのは、まだ10年も経っていない2001年から」というお話にびっくりしました。ヨーロッパは、環境や人権についても、世界の中では最先端というイメージがあるので、もっと前から定着していたのでは?と思われるかもしれませんが、CSRという言葉自体は、大陸ヨーロッパに上陸して10年に満たないということです。・・・でもこれは、決してCSRが示すような概念がヨーロッパに存在していなかったのではなく、むしろCSRという名前などない背景で、CSRそのもののような哲学を持って何十年も活動しているヨーロッパ企業は現に多くあります。ちょっとカジュアルになりますが、「ロハス・LOHAS」という言葉と一緒で、似て非なるものは存在していたけれど、新たに概念としては、外国から(主に米国発祥が多い)上陸・・・というのと、同じパターンだと思います。

EUの欧州委員会で、政策議論がスタートする際、出発点はいつも「グリーンペーパー」と呼ばれるものからで、これが「ホワイトペーパー」となり、新たな政策が生まれる・・・という順序ということも、今回はじめて知りました。

そして木下氏が率いるJBCEのCSR部門は、ヨーロッパで活動する日本企業のロビー団体(日系グローバル企業60社から成る)として、このグリーンペーパーの時点で、オピニオンや要望などをまとめたステートメントを提出し、EUの政策立案に影響を与えることで、欧州での日本企業の活動を保護し、発展させていく・・・という、非常にチャレンジングで、大切な活動をされているのです。

例えば、CSRの欧州委員会では、CSRの活動を、一つの数字データだけで表すために、KPI(Key Performance Indicator)と呼ばれる指標の標準化に向けて動いているのですが、JBCEは、この数字だけでは、企業のCSR活動の全体像を表すことが出来ないと、標準化への動きに異議を唱えています。木下氏の意見では、欧州委員会はロビイストで政治の世界であるので、黙っていては、やはり彼らにとって都合のよい政策が出来上がってくることは、必然なのだそうです。いくらヨーロッパで影響力のある日本のグローバル企業の団体といっても、外国の企業として、筋金入りの欧州委員会のロビイストたちに、どこまで政策について影響力を与えられるのか?彼らはどれだけ、日本企業など外国の声に耳を傾けるのか?という、疑問が出てきます。この辺りは、やはり、忍耐強く活動を続けていくことに意味があるそうです。例えば、ポジティブなフィードバックとしては、JBCEが提出したステートメントが、欧州委員会のCSR部門ホームページに掲載されたり、JBCEのバックグラウンドにもなっている日本の環境技術などの情報面に興味を持ったスペインの団体から、貴重な会合に招待されたりなど。・・・ネガティブフィードバックとしては、政策の立案に重要な影響を及ぼす会議に、JBCEは招待を受けなかったり、、、、、などだそうです。でも、例えば日本企業だけまとまるのでなく、アメリカの商工会議所にも声を掛けてネットワーク化するなど、目的に近づくための木下氏の冷静な戦略と行動力は、素晴らしいなあと思いました。

私は個人的には、EU内だけでも国同士のぶつかりあいが激しい中、よそ者であるアジアの日本やアメリカの企業の声が本当の意味で反映された政策がつくられるためには、EUにとって得になる提案やアイディアか?または、灯台下暗しというか、EUだけでは見えなかった死角に、第三者として日本やアメリカの視点が入ることで、政策の層や柔軟性が増し、将来的に耐性があり、長く役に立ち、広く多くの人々や経済がポジティブな影響を受ける・・・といった、結局は、「どれだけEUにとって利益があるのか?」・・・ということが、一番のポイントで、成功への鍵なのではないかと強く感じました。

個人の人間関係でも、ビジネスでも、そして国同士がぶつかる国際政治、政策決定でも、結局は、

「自分側にもメリットとなる、相手にとってのメリット」

をうまく説明し、説得し、接合点・妥協点をみつけていく

というプロセスの連続なんだと思います。

こういう場を、日々体験し、経験を積まれている木下氏のキャリアをとてもうらやましく思いました。ヨーロッパは、交渉を学ぶには、世界で一番適した場所かもしれません。百戦練磨になれそうです。ちなみに、女性管理職を増やすなどをはじめとして、ダイバーシティーという概念も、欧州委員会のCSR政策では大きな議事事項ということでした。

2001年にヨーロッパ大陸に上陸したCSRという概念は、まず2年後の2003年に、ヨーロッパではCSRは企業にとって、

「ボランタリー(Voluntary)であるべきか?マンダトリー(Mandatory)であるべきか?」

というテーマから議論がはじまり、議論の結果、

“ボランタリー(Voluntary)”

として、スタートしたのだそうです。

これが年々、社会の変化と共にどんどん変容を遂げ、2006年には欧州委員会が再定義し、「サステイナブルな社会・環境貢献活動を、業務・ビジネス戦略(Business Strategy)に取り入れること」となり、また金融経済危機を経験した、2010年は更に定義が書き換えられ、既に今の時点で、2011年に、また欧州委員会が新しい定義づけを発表することが決まっているそうです。・・・まさに、ヨーロッパのCSRは、動きが激しく、急成長・急変化を遂げている分野であるということが出来ると思います。

最後にとても興味深かったのは、

「ヨーロッパ(欧州委員会)は、様々な分野で、世界一番になりたい、世界の標準型を欧州でつくりたいという野望がある」

という木下氏の発言でした。

「実際ヨーロッパは、財務、環境関連の事項では、既に事実的に国際標準になっている・・・」と、EUを高く評価した大前研一氏のコラム記事を、先日読んだのを思い出し、本当にそうだなあ・・・と、確信。

10年前、ヨーロッパに移り住んだ時、なんてスローで退行的で、生産性が低いところにきちゃったんだろう・・・と、「成長命!」の私は、がっくりと思ったものですが、最近は、「アジアやアメリカよりも、ずっとエキサイティングかもしれない・・・」、「選択は間違ってなかったかもしれない・・・」と考えが変わってきています。

特に環境・CSRをはじめ、日独のコラボで出来ることの可能性は限りなく、またこの2国の経済・社会・文化連携は、今の世界に強く求められているとも思うのです。・・・少しずつ、大きな社会貢献が出来るように、私も個人としても会社としても、日独の架け橋になりたいと、強く思いました。
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by mikiogatawestberg | 2010-04-20 02:08 | 環境・CSR

ドイツ=「長期休暇天国」は、もう昨日の出来事

ドイツといえば(お隣フランスも含め、大陸ヨーロッパ諸国全般だとも思いますが)、年に数回の数週間の長期休暇が取れて、無駄な残業はなし、苦手な上司や同僚との飲み会などのわずらわしさもなく、全員夕方5時、6時になると、即帰宅、家族との時間や、自分の趣味の時間を楽しむ・・・というイメージが、日本をはじめ、他の外国でもありますが、、、

昨今のグローバリゼーション、金融・経済危機はもちろんドイツにも及んでいて、、、

この構図に今、大変化が起きています!

外国で持たれている、それぞれの国のイメージというのは、得てして間違っていたり、理想化されすぎていたり、極端に強調されていたりということも多いのですが、ドイツ人のバケーションや仕事への考え方については、国際社会がドイツに対して持っているイメージと、平均的なドイツ人自身の意識が、かなり噛み合っている事柄だと思います。

つまり、ドイツ人自身も、ドイツの長期休暇、プライベートと仕事のきっちりとした境界線などをはじめとしたドイツのワーク・バランススタイルというのを、この国で働くメリットだと自覚、また当然だとも思っています。

・・・でも現実は、日本で終身雇用がもう過去のこととなってしまったのと同様、国際経済社会は80・90年代くらいまでとは打って変わって、国際競争力が強いドイツの会社であっても、グローバルで生き残っていくためには、今までの働き方やバケーションの考え方では、太刀打ちできなくなってきているのです。

グローバルスタンダードと、きわまる国際競争を日々のビジネスで実感しているドイツの大企業やそこで働く社員は、もうこれに気づいていますが、問題は、ドイツの中小企業をはじめ、直接国際的なシビアな現実を体感できるポジションで働いていない人々の意識(反面、直接の仕事はドイツ内で済むことであっても、彼らが作り出すサービスや財が集められたものが、ドイツの大企業によって海外に輸出される仕組みなので、結局中小企業も国際社会に影響を受けることは免れないのです。むしろ、ドイツの大企業が競争力を失った場合、一番先にとばっちりを受けるのは、彼らになる訳です)、そして、これからドイツ社会を支えていくことになる未来の大切な人材である大学生や高校生の意識。日本の受験社会とまではいかないものの、もともとドイツはアカデミックな社会ということもあり、現実社会では役に立たないような勉強でストレスを溜めてしまっていると同時に、自分たちの将来は自分の親世代のようには安泰にいかないことを、実感している・・・・でも、実際、どう動いていいか分からない。不安に駆られ、ますますアカデミックな勉強にはまり、いい成績をとって、日本で言う就職人気ランキング10位くらいまでの会社に入ろうと、保守化し、自分で考えられない人間、会社に頼る人間になってしまう・・・という悪循環。まあ、今の日本と、とっても似てる状況ですね。

これに対して、これからドイツはどう動くのだろう・・・・・と、ここ数年思っていましたが、

ドイツの第一級の経済紙・ハンデルスブラットが、大きく動き出しました!
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↑同紙内にみつけた、スポンサー募集の広告。「ドイツの未来人材に投資しよう!」と、企業の活きた知識や体験を、14歳から20歳のドイツの学生に講義やイベントを通じて、伝授しようというプロジェクトです。教科書の題も、「イノベーション」とか「グローバリゼーション」とか、普通の学校では、教科書の用意もないし、先生自身も教えることの出来るバックグラウンドを持っていないものばかりです。

このプロジェクトのビジネスモデルは、スポンサーになった企業のロゴが教科書にプリントされ、またその企業についての内容が教科書にも事例として載ることで、企業ブランドも高められるという仕組み新しいスタイルのCSR(企業の社会的責任)とも言えそうです。・・・これ、日経新聞さん、ぜひ真似して欲しい!と思っています。

この広告を見つけた数日後、早速このプロジェクト関連で、同紙内で、国際企業Ernst&Youngのドイツのトップで、1400人を率いるマーク・スミス氏が、ドイツの学校を訪れ、生徒と対話をしたという記事が載っていました。
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彼自身、大学で「経営学」ではなく、哲学と政治を専攻していたこと、安定とか周囲の目に惑わされず、自分の強みを知ることの重要性などのメッセージは、まあ当然と言えば当然ですが、一番おそらく、学生にとって、そしてこのハンデルスブラッド紙の読者にとって(もしかして、記者にとっても)、衝撃だったのは、同記事タイトルにもなっているこれ↓
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だったのではないかと思います。

「プライベートと、仕事は、分けられない」

・・・グローバル社会で生き残るためには、9時5時生活では無理。地球の反対側のクライアントを満足させるためには、時差一つとっても、今までのドイツ人の仕事への考え方ではやっていけない、と言い切っています。

・・・・という一方で、彼は趣味パイロットでもあり、上手に隙間時間を使って人生も楽しんでいるよう・・・かっこいいですね!きっと、話を聞いた学生も、ショックを受けつつも、憧れを頂いたのではないでしょうか?

とにかく、このプロジェクトはとっても意味がある、投資する価値のあるCSRなのではないかと思いました。
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by mikiogatawestberg | 2010-03-18 18:48 | 環境・CSR