カテゴリ:芸術・Art・Kunst( 14 )

IKEBANA

娘たちは、生まれて初めて、日本のIKEBANA(生け花)にもトライしました。ドイツにも、生け花協会(Ikebana-Bundesverband e.V)というのがあり、広く愛されているのです。

まずは、剣山、はさみなどの道具、葉、茎、枝、花などの素材を用意します。
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どこの長さで、切れ目を入れるかも、自分で判断。直感が大事♪
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慣れない形のはさみで、硬い枝を切るのには一苦労ですが、ぱちんっと上手に切れました。
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リードしてくれる、生け花協会のドイツ人のおばちゃん方と一緒に、ああでもない、こうでもない、と、バランスを考えます。ホリスティック思考とセンスが問われます♪
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出来上がり+ポーズ。中々の仕上がりです。
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次は次女の番。最初からクリーム色のバラが気に入り、「う~、いい香り!これを絶対使いたいっ!」という強い要望から、このバラを中心とした少し洋風なイメージをもってのスタート。
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輪をつくった葉で、円をつくります。長細い葉のどこに輪をつくるか、葉で作る円をどのように活けるか、空間感覚、バランス感覚のよさも問われるような・・・♪ 
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墨絵もそうですが、日本の芸術が中国や他の東アジア、また西洋と異なる点は、左右対称につくらないところが、大きな特徴。
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これは日本人、日本伝統文化のもつ「粋」や「自然との関わり、姿勢」に由来しているのかなあと個人的には思います。

ブースの横には、協会の人々の作品が並べられています。竹をモチーフに、沢山のクリエイティブな作品が陳列。
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素材や形式は日本(東洋)の生け花なのですが、作品全体が発されるのは、とても西洋(very west!)といった感じなのです。

私はいつも、西洋人のつくる東洋芸術、アジア人のつくる西洋芸術にとても惹かれます。どちらも、最低限のルールと基礎を押えた上で、作品の内側から滲み出てくる、その人自身の根幹をつくっている文化のエッセンス。東であれば西、西であれば東、意識的に対極の文化形式の中で表現されるほど、元々持っているエッセンス(前者であれば東、後者であれば西)が、より濃縮されて見え隠れするから不思議です。人間でいえば、異文化の中に浸かってはじめて、自国・祖国の文化で形作られている「自分のアイデンティティ」を強く意識する・・・といったところでしょうか。

それにしても生け花は、生活を彩るし、頭と感性と直感を養う練習にもなるしで、良いですね。娘たちもとても楽しんだようです。
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by mikiogatawestberg | 2012-05-26 05:42 | 芸術・Art・Kunst

書画家・田中太山氏のパフォーマンス

書画家・田中太山氏の、フランクフルト郊外・見本市会場での書画パフォーマンスを、子供たちと楽しみました。

まずスタートのパフォーマンス。
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今日という日の「縁(エン・EN)」、ドイツでの開催、ドイツでの人々との出会い・・・「全ての“縁”」に感謝を込めた作品。
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「EN」という概念・考え方は、西洋にはない、日本独特のもの。書画と共に、日本的なメンタリティー、文化背景も一緒に伝達している訳です。

次の作品は・・・?!
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観客は、注目して、一筆一筆を目で追っていきます。
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同じ列の席に座った息子が、私に、得意げに言ってきた一言。

「ママー!今の“日”の書き順、間違ってたよーーー!!」

「ああ、それはねえ、学校の国語の授業ではなくて“書画”というアートだから良いのよ。太山氏は、間違えたのではなく、意識的に、順番を違えて書いたのよ」

・・・と説明したものの、いつも日本語学習で、漢字の書き順についてガミガミうるさく言っている母の身としては、説得力に欠けるというか、矛盾してるというか、、、。息子は9歳なので、このアートと日本語と書き順についての背景を100%理解できるには少し早いかなあと思ったのですが、一応彼なりに理解できたようです。それでも、いつも自分が指摘されているところを、逆に誰かに指摘する、それも舞台で大勢の前でパフォーマンスをしている人のことを・・・というのは、ちょっと気分が良かったのかもしれません。目が輝いていて、「ぼく、間違いに気付いたよ!」と嬉しそうでした(苦笑)。

完成したのは「日本」。陽(日)がはじめに出ずる国(元・本)というライジングサン(Rising Sun)が、日本国の漢字の意味。多くのドイツ人が憧れを頂く、ネーミングで、マーケティング的にも上手なアプローチ、と感心。
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最後は即興的に観客と共同でつくる、参加型パフォーマンス。すぐに挙手して選ばれたラッキーガールは、うちの長女でした。

筆を持って、好きな場所に、好きな形を描きます。
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右上に円(EN!)を描いた長女に続き、太山氏が仕上げていきます。
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出来上がった作品は、長女のドイツ語名レア(礼愛)。キュート♪気に入りました!
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「右上のまん丸からの展開は、中々難しかったです」

との、太山氏の感想でした。
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by mikiogatawestberg | 2012-05-25 20:23 | 芸術・Art・Kunst

“叫び”のムンク ~2人の人間、孤独の魂~

ずっと行きたかったSchirn Kunsthalle Frankfurtのムンク展に行ってきました。
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日本ではムンクと言えば「叫び」ですが、今回のブログタイトルは、敢えて逆の「“叫び”のムンク」、としてみました。世界的な画家の展覧会をする際は、ただ世界中に散らばっているその画家の作品の有名なものや数だけを集めてくるのではなく、今まで当てた事のなかった角度から、その画家や作品について、スポットライトを当てていく・・・というアプローチがヨーロッパの美術館の魅力、美術プロデューサーの腕とセンスの見せ所であり、またそうすることで、既に美術、芸術慣れしているヨーロッパの訪問者を呼び込み、満足させることが出来ます。

今回のムンクは、「Der moderne Blick(モダンな視点で見たムンク)」がテーマ。ちなみに“叫び”はありませんでしたが、とても興味深い作品ばかりでした。

ムンクの作品には、幾つかお気に入りというか、いつも繰り返されるテーマ(彼のトラウマ?!)というのがあります。同じテーマ、例えば「病気の子供」や「橋の上の女性たち」とか等のテーマで、色彩や構成などが異なった色々なバージョンが、平均1テーマにつき、2~5バージョンくらいあるのです。

私の今回の一番のお気に入り。タイトルは、「Zwei Menschen Die Einsamen(2人の人間、孤独の魂)」

こちら↓が、1905年に描かれたバージョン。
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こちら↓は、1933~35年に描かれたバージョン。
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同じ男女で、立ち位置は変っているけれど、二人の距離感は30年たった後もほぼ同じ、そして、二人は見つめ合っていない(しかも前を見ているけれど、同じところを見ている訳ではなさそう)・・・そんなところに心を動かされました。

キスの2バージョン。どちらが好みですか?!
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「Die weinende Frau(泣く女)」も彼のお気に入りテーマで、幾つものバージョンがあります。嫌な男だ!
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ノルウェー人のムンクが生きた19世紀後半~20世紀前半のヨーロッパは、パリやベルリンに芸術の中心があり、またX-rayやカメラなど技術の開発と急な発展があり、芸術もそれらから影響を大きく受け始めた時代。映画も大好きで、ムンクは足げに映画館に通っていたとのこと。また、カメラの魅力にもとり付かれ、お気に入りのコダックカメラを手に入れてからは、セルフポートレートを生涯取り続けます。その数がとにかくおびただしい。自分の顔ばっかり、色んな角度から何枚も撮っていて、眺めて飾っているなんて・・・
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確かに、ダンディな感じで美男子ですが、自意識過剰だったのですね。現代に生まれていたら、「今日のファッションはこれ!」とか自分の写真ばかり載せる自己顕示欲の強いブロガーになっていたのではないでしょうか?!

「芸術家は自分への執着が人一倍激しいからこそ、そこからの解放を求めるプロセスの中で、苦しみが昇華され、作品が生まれる」

・・・とは、私の芸術に関する考えですが、あまりにも強い自我執着(この強さが才能と比例しているのかもしれませんが)に、自らがやられてしまうことも・・・。

ムンクもやはり、多くの芸術家同様、晩年はうつ症状などで、入退院を繰り返します。

それでも、最後まで「自分」に向かい続け、老いた自分自身も、そのまま描き出しました。
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メッセージの「Write you life」
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は、「Live your life」

とも、聞こえます。

2012年5月3日【追記】偶然にも、今日、時事ドットコムでこんなニュースが!フランクフルトムンク展に不在であった作品「叫び」は、ニューヨークでオークション中だったんですね!・・・7人の入札者間での激しい競り合いで、たった12分で絵画の史上最高落札額「96億円」だったそうです。ヒョエー!!!絵画の価値って一体?お金って一体?人間て一体?色々考えてしまいます。
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by mikiogatawestberg | 2012-04-30 20:49 | 芸術・Art・Kunst

スイス出身の、イケメンチェロ奏者

先週末、子供たちと、ゲーテ大学でのオーケストラコンサートに行ってきました。

目的は、彼。なんと現在若干18歳、スイス出身のイケメンチェロ奏者。2010年にはシチリアのIBLA GRAND PRIZE SIZILIENで、既にトップに輝いたキャリアを持つ、今注目の若手です。
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オーケストラの合間に、彼のソロや、彼を中心にした曲が入る・・・といった構成だったのですが、いやあ、若くて、本当にカッコ良かった!日本やアジアでもてそうな顔立ちで、一見少しシャイな印象で、でも話すととてもフレンドリーなティーンネイジャーといった感じ。でも演奏に入ると、全身のエネルギーを震わせ、心身共に我を忘れ、作品、今&ここ(now & here)に没頭しているというような、若さ溢れる天才でした。日本に行ったら、大変な人気になること間違いなしだなあと思いながら、最初から最後まで目、釘づけ。行った価値、ありました。

体調も気分もずっと落ち気味だったのですが、やはりこういう時に、ピュアな才能溢れる芸術に触れることは良いことですね。心身が浄化され、少しすっきりしました。

あと、最近の次女と私が好きなアーティストは、オーストラリア出身のGotye。日本でも人気でしょうか?「Somebody That I Used To Know」・・・音楽のテイストと構成、アーティスティックなミュージッククリップも、新しい感じで面白い。そしてやっぱり、失恋の歌。タイトルも、アデルの「someone like you」にも、仄かにかするような「somebody That I Used To Know」。

過去の誰か(somebody)と、これから出会う誰か(someone)・・・。哀しみと孤独の人生の鎖の中で、時々光を放つ希望。それが、人との出会い。友情や恋愛になり、皆ドラマを演じる。始まるのあるものは、終わりもあり。

嗚呼。

次女(6歳)は、バックの独特なビートと、「彼の目がいい・・・♪」と私に言っていました。うん、中々見る目あり!
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by mikiogatawestberg | 2012-02-09 01:37 | 芸術・Art・Kunst

20年間のプレゼンス~MMKモダンアート美術館~

フランクフルトのお気に入りの美術館、MMKに行ってきました。モダンアートを追及して20年間・・・というのがテーマで、
1991年から2011年まで、あらゆるモダンアーティスト、作品などを集めた大きなコレクション期間で、当初より延長され、今月30日まで開催となっています。
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私は何度もこの美術館を訪ねているので、既に何度も見たことがある常時展示作品たちも多かったですが、今回のために集められた沢山の新しい面白い作品、アーティストにも出会うことが出来ました。

ドイツ語のロゴ、造語で遊ぶ、シンプルアート。距離感とモノトーン、直接的な「単語」の存在感で、言葉を司る頭脳と肉体感覚の両方に、同時に働きかけるような作品。・・・乾ききっていない絵の具のツーンとした臭いがまだたちこもっていた空間↓。
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モダンアートと、モード・ファッションの世界は緊密な関係。

東(日本)のYoji Yamamoto。
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西(ドイツ)のJil Sander。
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伝統、テクノロジーetc・・・色々な分野で、共通点、類似点のある日独ですが、モダンアート・ファッションにも、何か根底で摺り合っているもの、重なり合っているものを感じます。

これらも↓全部、モダンアートです。
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by mikiogatawestberg | 2011-10-26 23:17 | 芸術・Art・Kunst

着物のコラージュアート、海外ドイツで初デビュー

ドイツは、すっかり朝晩の冷え込みが厳しくなり、本格的な秋の到来です。

アート大好きなドイツ人ですが、日本初のアートトレンドは、ドイツで注目され続けています。

先日は、フランクフルトのGalerie Knoetzmannで開催中の、アーチスト森田美智子氏の、海外初デビュー「日本古布によるコラージュ」個展に行って来ました。
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新聞にも取り上げられていて、
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開催初日には、沢山のドイツ人(芸術に造詣が深い年配のおしゃれなドイツ人カップルが多かったです)が集まっていました。

1603年の江戸時代から1926年昭和初期まで、300年間に渡る貴重な着物(古布)を使った、コラージュアートの先駆者として、日本以外では海外初の個展、つまりドイツが世界デビュー!ということでした。

京都在住の森田氏は会場にはいらっしゃっていませんでしたが、その代わりに、ドイツ在住で墨絵(SUMIE)アーチストであり、日本の伝統文化全般に造詣の深いドイツ人女性アーチストが、来場のドイツ人ゲストたちに、まず、「着物とは何か?」という説明からスタート、皆聞き入っていました。・・・いつも思うことですが、自国の文化を、外国人の目(視点)を通して覗くことは、とっても面白い経験で、視野をぐんと広げてもらえるチャンスでもあります。

着物について、ドイツ人に上手に、分かりやすく説明をされていて、素晴らしいなあと思いました。例えば、彼女は、

「着物は、ワンサイズ(フリーサイズ)のみ!大きくても、小さくても、太っていても、痩せていても、若くても、年を取っていても、布を折りたたみ、固定しながら、形を作ることで、皆、平等に着こなせるのです!」

と主張。特に、年配の女性で、身体が小さく細くなり、腰が曲がってしまっていても、着物であれば、それを自然にカバーし、貫禄と美しさを十分演出することが可能であり、

「老いも若きも、着物を着て、並んで歩いていると、顔立ちや体つき、年齢は関係なく、キレイに並べたZigarette(巻タバコたち)のようで、圧巻!」

と表現しているのが、面白かったです。ドイツでは、パーティーや社交では、巻タバコ(Zigarette)文化があり、また、特にアート展を巡ったり、アートを愛する人たちと巻きタバコの文化は密接なので、身近かに感じるような比喩を使って、上手なスピーチをされるなあ・・・と、感心しました。

インターカルチュラルな視点で見ると、「ある文化(異文化)を、それを全く知らない人たちに説明する際、また、初めて紹介する時は、その人たちの国の文化に存在しているモノや事象を例にとって、並べ、比べたり、重ね合わせたりすることで、新しい文化へのイメージが膨らみ、親近感と更なる興味が促される」のではないかと思います。

身体の中で、女性ゆえの魅力箇所として、“デコルテ”が象徴の西洋、それは“うなじ”である東洋(というか、日本?!)、下半身(脚)は巻きタバコのように細く、真っ直ぐ小さく包まれている東洋と、ふわっと丸いフープが入り、下半身(脚)全体が自由スペースとなっている西洋、外側に貴重なステッチや宝石がデザインされる直球な西洋のドレス、外側はシンプルに、ちらっと覗く(角度や場合によっては覗かず、見えないかもしれない!)裏地に豪勢に贅沢なデザインを持っていく、変化球な東洋の着物・・・洋の東西といいますが、本当に「伝統美」に関しては、これほど綺麗な対象形はないなあと思うほど、違いますよね!・・・だからこそ、惹かれあって、そこがフュージョンし、新しいものが生まれる余地がまだまだあるのでしょう。

だからやっぱり、「違う」って、素晴らしいことなんだと思います。いつまでも、異文化、大好きでいたいです♪
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by mikiogatawestberg | 2011-09-19 22:28 | 芸術・Art・Kunst

フリードリッヒ・カール・ヴェクター

フランクフルトのMuseum fuer Angewandte Kunstを訪ねて、思いがけない、うれしい+新しい出会いがありました!

たまたま、3階で開かれていた期間限定の展示会で、1960年代以降、ドイツで一番有名といわれる、グラフィックアーティスト・風刺作家のフリードリッヒ・カール・ヴェクター(Friedlich Karl Waechter)と、その作品に出会えたことです!

子供から大人まで幅広い層に、独自のテイストで雑誌用のDrawing、風刺画、本まで、様々なジャンル・メディアで活躍、1937年生まれ、ドイツハンブルグの芸術学校で勉強した後は、フランクフルトで新しいアーチストのグループを結成し、活動、最後2005年に息をひきとったのも、フランクフルトの地だったということです。
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ドイツ社会に大きな影響を与えた、彼の代表的な作品の一例として、「アンチ・ぼうぼうあたま(Anti-Struwwelpeter)」があります。
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ハインリッヒ・ホフマン作の「ぼうぼうあたま」のこわーいお話(一応子供向けですが、多くのグリム童話のお話と同様、大人にとっても大きな含みを持つ、独特のお話です)・・・ご存知の方もいらっしゃると思いますが、このお話の里も、実はドイツのフランクフルト。主に絵本を通じて、ドイツはもちろん、世界中に未だに大きな影響力を持つ、古くて、ステータスと伝統を持ったお話です。それに対して、風刺作家のヴェクター氏は、あえてアンチテーゼを唱え、「アンチ・ぼうぼうあたまのお話のシリーズ(イラストや本)」を次々に発表して、センセーショナルを起こしたようです。言ってみれば、「風刺的なお話を、風刺する」という、確かに斬新なアプローチです。

興味深い作品を残したアーチストについて、作品だけでなく、それらの作品を生み出すことになったバックボーンである彼・彼女自身の人生観についても知ることは、新しく、心惹かれるアーチストと作品に出会いがある度深い喜びと学びを得る、素敵な経験です。作品と人物のピントが合い、重なりあい、言葉通り、「腑に落ちる」という感じで、全身でアートのパワーを感じる瞬間。正に、アートセラピー(=深い癒し)だなあと思います。

ヴェクター氏に関しても、然りでした。
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「私は、かつて“5歳”で、“それ”を覚えていて、そのまま“99歳”まで生きたい、と望んでいる全ての人々に向けて描いて(書いて)いる」
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「人に“考える”ことをスタートさせたり、“不思議(疑問)”に思わせたりすることは、私の大好きなこと。特に、同じ作品について、異なる人々が異なるアイディアを持つことに、喜びを感じる」

ユニバーサルで、大きなアート魂、ステキすぎです。ハートに突き刺さりました♪♪♪
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by mikiogatawestberg | 2011-09-10 01:52 | 芸術・Art・Kunst

Kuenstler helfen Kuenstlern(芸術家が芸術家を助ける)

フランクフルトのMuseum fuer Angewandte Kunstで、3月11日の震災の後、50人のインターナショナルなアーチストが集結し、震災で被害にあわれた日本人アーチストを支援するプロジェクトの展覧会があり、足を運んできました。
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ちょうど工事中の美術館ですが、全3階の1階全スペースが、このプロジェクト用に用意されていました。
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日本を意識した作品から、特に日本、震災とは関係のない作品、もしかしたらつながりがあるかもしれない、訪問者に、つながりの可能性を想起させるような作品など、色々。
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苦難の時だからこそ、芸術作品の持つエネルギー、そしてアーティストのスピリットに、賞賛と感謝の意を新たにしました。

追記:私の調べ不足で、後日分かったことなのですが・・・今回のプロジェクトは、メインは「オークション」だったようです!50人の著名アーチストが寄付した作品が、オークション価格100ユーロ、又は200ユーロからのスタート。ちなみに私が訪問した時には、まだ残っていたオノヨーコ氏の寄付作品「IMAGINE PEACE」(プリント)2点は、今年2011年夏に、ヨーコ氏が、サインとお日様マークを入れた方は、200ユーロからのスタート、そうでない方は、100ユーロからのオークションスタートでした。
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by mikiogatawestberg | 2011-09-09 16:50 | 芸術・Art・Kunst

ラディカル・コンセプチュアル

フランクフルトモダン美術館の、ラディカル・コンセプチュアル(Radical Conceputural)展に行ってきました。
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アンディー・ウォーホールやヨゼフ・ボーイスなどをはじめ、世界的に有名なアーティストだけでなく、ドイツ生まれでアートの中心のベルリンやケルンで活躍している現役のアーティスト作品を集めていたのが、とても新鮮で面白かったです。ラディカルなモダンアートであっても、やはりドイツに住んでいるドイツ人のアートって、ドイツっぽいのです。例えば、木材やブリキなどの素材が素材自体の良さを失わずに取り入れられていたり、ドイツ語の言葉遊びをアートに取り入れていたりと、在独10年の私は、アーティスト名を見なくても、そしてそのアーティストを知らなくても、「この人はドイツ人ね!」と、大抵当てられます。・・・・・ですが、ドイツ人アーティストということを当てることが出来ても、男性か女性かを当てるのが、今回以外にも難しかったのです!すごいドイツ人男性的なテイストだなあ」と思ってみると、ドイツ人女性だったり、その逆も然り。ラディカル・コンセプチュアルという、アートのカテゴリー自体が、男性的、女性的というくくりを、あまり打ち出さないものなのかもしれません。

愛知県出身で、現在NY在住の、On Kawaraさんの、日付アートもありました。彼の作品は、同美術館でも常時展示になっています。
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美術館へ行く道、街の中心ど真ん中にある公園で、野生のキュートなうさぎちゃんたちを発見して、思わずワンショット。猛暑の夏の午後ですが、元気そうでした。
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帰りは、夕暮れのマイン川沿いをお散歩。この後、またまた大雨・嵐・雷が数十分続きました。今日はそのせいか、少し連日の暑さが和らぎ、過ごしやすい一日になりそうです。

もうすぐ日本も梅雨明けだそうですね。皆様も夏ばてしないよう、体力つけて、夏を乗り切れますように♪
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by mikiogatawestberg | 2010-07-15 18:28 | 芸術・Art・Kunst

アリス・紗良・オットーさん

今日は3月3日、ひなまつりですね・・・

うちには2人の娘がいて、私も妹と2人姉妹で育ったので、ひなまつりは、海外暮らしが長くなっても、いつも見近かに感じる行事です。

ところで、子供たち3人とも、楽しくピアノ教室に通い続けています。3人一遍に、一時間弱のレッスンなので、その場で終わるまで時間をつぶすことも多いのですが、先日はその待ち時間に、素晴らしい出会いがありました!

ドイツ内の音楽ジャーナルのような業界雑誌で、トップページを飾っていたのは、少しエギゾチックな顔立ちの若い女性で、今ドイツのピアノ界で、大注目との見出し。

ページをめくってみると、美しく、若く、才能あふれる彼女は、アリス・紗良・オットーさんという、ミュンヘン出身の若干21歳の新進気鋭のピアニストで、お父様がドイツ人、お母様が日本人なのだそうです。

家に帰り、まずはすぐにアマゾンでCDをオーダー。翌日に届きました。
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私はピアノを長年習い、まだ辛うじてピアノを弾く事は出来ますが、鑑賞に関しては、難しい技術的なことは判断出来ません。耳と全身で感性だけで感じ取るタイプです。

・・・金の卵(もう孵ってると思いますが!)のピアニストだと思います!

日本でももう話題になっていて、今年1月の情熱大陸でも既に特集されているようで、ご存知の方も多いかもしれません。実力ももちろんですが、やっぱり最初に惹きつけられるのは、彼女のフレッシュな若さと美しさですね~。ドイツでも日本でも両方に通じる美貌をお持ちだと思います。

ドイツのCDのレビューなんかでも、

「最初は美人なだけかと思ってたけど・・・・すごかったです」

みたいなのもあって、面白かったです。

インタビューも見ましたが、才能と感性豊かなとてもしっかりしている女性。子供の頃、言葉で自分の感情や思いを表現することが苦手で(これは日独のバイリンガル教育の影響?それとも性格的なもの?・・・おそらく両方だったのかなあと推測しますが)、両親にピアノのコンサートに始めて連れて行ってもらった時に、その後すぐにお母様に、「ピアニストになる!」と断言したそうです、4歳でピアノを本格的にはじめ、その後はヨーロッパの重要なコンクールなど総なめ状態。

・・・特にヨーロッパなどの外国で暮らしていると、日本人をはじめ、アジア人の母親は、自分のかつての夢や、その国の有名なもの(例えばドイツだったら、音楽などの芸術)を、子供に押し付ける感じで、託してしまうパターンも少なくないのですが、彼女の場合、お母様は、コンサートピアニストのようなプレッシャーのある職業に娘が就くことに心配を抱き、むしろ反対だったそうです。・・・・・でも、逆にそれで、彼女自身の意思で切り開いていくことが出来たのかもしれませんね。でも、フィギュアスケートの浅田真央さんのケースみたいなのもあるし、母子とプロを目指した習い事というのは、深い~テーマだなあと、思います。

ドイツでも、経験を積んで、年齢を重ねたピアニストがトライするような曲目の収録なども、果敢に挑戦しているということですが、始める前は、「こんな若い子につとまるの?」というような視線もあったとのこと。でも、

「結果と仕上がった作品が、私の実力を証明してくれたと思う」

と自信あふれた発言をされていました。

「辰年うまれで、しし座だから、強いのです」

・・・みたいなことも言っていて、普通ドイツ人は、自分のキャラクターや性格を干支や星座で説明しないので、ここはお母様の影響(?!)、日本的だなあと思って、妙にうれしくなりました。彼女のドイツ語はもちろん完璧ですが、でも発声の感じや発音が完全にドイツ人女性の話すドイツ語じゃなくて、そこもとても魅力的。この辺りのエキゾチックさも、ドイツ人男性を魅了しているところかもしれません。

・・・実は私も辰年で、アリス・サラさんと同じだ~!と舞い上がっていたら、おなじ干支ってことは、一回り、つまり、12歳違うのだという現実に気づき愕然。

普段の生活では、ドイツに住んでいると、日本と違い、30代、40代は、まだまだ若い年齢なので、自分がいつでも若いと勘違いしちゃうのです。(アジア人は、若く見えるし・・・汗)

でも、確実にもう次世代(?)の次代なのだなあ、、、と、最後はなんだか、考えさせられました。

うちの次女は、サラさんと同じ、サラという名前なので、喜んでCDを気に入って持ち歩き、サラさんの弾くショパンを聞きながら、踊りまくっています。サラさんのような、日独ミックスで素敵な例があるということは、うちの子をはじめ、世界の日独キッズに夢を与えてくれますね。うれしいことです♪

・・・とにかく、大注目の方ですので、今後、日本、ドイツ、世界での活躍がとても楽しみです。
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by mikiogatawestberg | 2010-03-03 23:53 | 芸術・Art・Kunst