カテゴリ:比較言語・Mutilingual( 3 )

ひらがなの小文字

またまた、昨日の日本語宿題時の、息子の大発見。

「ママー。ひらがなは、どうして大文字しかないの?」

・・・

「小文字(小さなひらがな)もあるじゃない!」
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「ちっちゃい、”ゃ”とか”ゅ”とか”ょ”とか、“っ”とか・・・」と、私。

「でも、全部のひらがなじゃないし、すごく少ないよね。残念。」

「ザ・ン・ネ・ン?!・・・なんで、ザンネンなの?覚えるのが少なくてラクでいいじゃない?ドイツ語とか英語は、アルファベットが一種類だから、全部に小文字があってもいいけど、日本語は、ひらがなだけじゃなくて、漢字とかカタカナもあるんだし。量が増えるだけだよ!」

「別に量が多くなっても大丈夫だよ~。ぼく、全部覚えられるもん!」

・・・最近、ひらがなの文字と漢字を、すんなり覚えて、上手に書くことが出来るようになり、前よりぐんと自信をつけた息子は、のたまうのでした。

それにしても、どうしてひらがなには全部に小文字がないのでしょう。発音しにくい音で、それ故、その音が使われた「単語」が出来ていかなかったからでしょうか。

でもこれらを「小文字」として、ドイツ語や英語と単純比較をすることは出来ません。ドイツ語や英語の小文字は、発音とは全く関係ない「小文字」なので。

もう一つ、息子が見逃さなかったポイント。ひらがなの小さな字は、大きな字を“単純に小さくしたもの”であるのに対し、ドイツ語や英語のアルファベットは、大文字と小文字の形がかわらない(=単純に小さくした)Cやc、Oやoなどと、大きさが小さくなり、更に形もかわってしまうAやa、Dやdなどが混在していて、しかも、形がかわるのか?かわらないのか?規則性がありません。一見、西洋アルファベットは、理路整然としているようで、これらは単純に暗記で覚えるしかないという、非論理性がある・・・というのも、面白い発見でした。
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by mikiogatawestberg | 2011-01-12 17:42 | 比較言語・Mutilingual

漢字の美意識

息子と日本語の宿題を一緒にしていると、本当にたくさんの気づきがあります。

ゲーテはかつて、

「外国語を知らない者は、自国語も知らない」

と言い、

「まあ、もっとも。その通りだよね・・・」

と、昔(英語が話せるようになってきた頃)は簡単に受け止めていましたが、ドイツ暮らしが長くなり、ドイツ語や英語に浸る時間が当時よりぐんと多くなり、そして、大人が外国語を学ぶ方法でなく、子供が言語を学ぶ過程に付き添うことになって、もっともっと、比較言語としての日本語の奥深さが見えるようになってきました。文化にまたがる一表現者として、「日本語独特の表現」なども魅力一杯で、比較言語的な視点で、生涯を通じて追い深めていきたいテーマだなあと私は思っていますが、ドイツ語がメイン言語の8歳の息子にとっては、やっぱり「漢字」が魅力のようです。

先日は、「木」、「林」、「森」を一緒に勉強しましたが、これらは、1本単位でみる木は「木」、それが集まると「林」、もっともっと集まると「森」・・・と素人説明をしたくなり、まあそれは単純に意味的には間違ってはいないと思うのですが、でも実際、お手本をしっかり見て、漢字を書いて練習してみると、漢字の文字としてのアート性、「意味としての絵」だけでなく、「美意識としての絵」が浮かび上がってくるのです。

簡単に言うと・・・
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↑「林」の⑥番、「森」の⑧番は、「木」の④番と違い、棒は短く、そしてハライでなくトメです。

これは、木が、単なる1本、2本、3本・・・という“集合体”なのではなく、1つひとつの漢字の全体としての“完成形・個別性”が現されている・・・>そして、これが発展すると“書道”という芸術に繋がっていく。ヨーロッパにもカリグラフィーというのがありますが、文字としての芸術面の深さが、やはり日本の書道にはぐんと劣ります。

昨日は、息子は、「青」の漢字(特に上の部分)が、上手く書けずに、何度も悪戦苦闘。
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「青」という漢字は、上の部分は、一番上の横棒が中くらい、真ん中が一番短くて、下が一番長く、そしてそれらの幅は全て一様、その中央に垂直線が下りてくる・・・・・こうやって文章で説明すると、「文字」のレベルを超えて、「芸術」の領域に入っているということが分かります。

それを日本の子供たちは、日常使いの言語として、学習するのです。日本人が芸術的感覚に優れ、また丁寧で手先が器用・・・というのは、漢字を主とした日本語に多く由来しているのではないかと思ってきます。

日本語は、確かに独特な世界でもかなり個性の強い言語であるが故、他の言語を学ぶ時のハードルは高くなりますが、それでも、日本語を母国語として学べる、学べた・・・ということは、とてもラッキーで、特別に感じるに値すること・・・と、ヨーロッパに住んでいると思います。日本語の文庫本を電車で読んでるだけで、隣に座ったドイツ人からは、「すっ、すごいっ・・」と、天才を見るような目つきで見てもらえますからね・・・♪
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by mikiogatawestberg | 2010-12-17 16:48 | 比較言語・Mutilingual

「シ」と「ツ」、「ソ」と「ン」・・・etc

息子と一緒に日本語の宿題に取り組んでいると、今までは気づかなかった日本語の特徴や魅力、ドイツ語や英語と比較することで新たな視点などが得られて、親にとってもとっても勉強になります。

日本語補習校での1年生は、夏休み前にひらがなを一通りマスターし、カタカナは、夏休み中の宿題で、家庭で覚えることになっています。そして秋学期からは、いよいよ漢字が入ってくる・・・というスピードと量なのです。もちろん、子供たちはこの他に、普段のウィークデイは、ドイツの学校に通っていたり、英語のインターナショナルスクールに通っていたり、場合によっては両親が、ドイツ語、日本語、英語以外を話すネイティブスピーカーの場合は、それらの言語も入ってくるので、バイリンガル、トライリンガルどころか、4つ以上の言葉を背負った、10歳以下の子供たちがごろごろしているわけです。沢山の言語環境の中でも、子供によって、一番強い言語、弱い言語などの割合もそれぞれ異なり、また、例えば日本に長期帰国して、日本の学校に1ヶ月体験入学したり、ドイツや日本以外の外国に数年移住して、戻ってきたりと、ものすごいペースで、“今”一番、得意で強い言語っていうのが、変化しているところも、すごいなあと思います。これは、もちろん魅力的で、素晴らしいことなのですが、もちろんそういう面ばかりだけではなく、小さな子供たちにとっては、ストレスになってしまったり、どの言語もまちまちになってしまって、「国語力」をつけることが難しくなってしまったりと、弱点も沢山・・。

・・・と、このテーマはテーマで、大きく、深~いテーマなので、また別の機会に・・・。

今日は、カタカナの話題です。

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「オムレシ」に、そこはかとなく近い「オムレツ」・・・。
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「ミツソ」でなく、かろうじて「ミシン」・・・。

夏休みだけでカタカナをマスターすることが出来るのか???と、心配だった私に、大きな日独ミックスのお子さんを持つママ友達は、

「カタカナは、ひらがなより、ずっとはやく、身に着くよ~」

とおっしゃっていたのですが、確かに、ひらがなよりも簡略化されていて画数も少ないけれど、その分、似ている字が、多し!

息子には、

「シ」は、全部下から、上へ向かってはらって・・・
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反対に、「ツ」は、3回とも上から下に向かって書くのよ・・・と。
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「ン」と、「ソ」も、同じように・・・
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皆さん、かつて、カタカナを習ったり、覚えたりした時の記憶って残っていますか・・・?私は殆ど残っていないのですが・・・。百題テストのために、必死に何度も練習した記憶の残っている漢字と違って、カタカナは知らぬ間に“知っている”という感じだったような・・。今の日本の日本人の子供たちは、どういった感じでカタカナを学んでいるんでしょうか。興味あります♪

・・・それにしても、カタカナの書き順を強~く意識した経験を、30過ぎて味わえるというのは、ミックスの子供を持つ醍醐味と言えるかもしれません。

このあとは、またひらがなの練習。

今度は、比較言語文化専攻(?)の息子の発見。
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「ママー。日本人って、頭いいよね。ドイツ語だと、Bildって、4文字もアルファベット書かなきゃなんないのに、日本語だと、“え”ってさ、一文字ですむんだもん」
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「そうだね、確かに。でもね、日本語の“え”は、君が夏休みに習ったカタカナと、あとむっずかし~い漢字バージョンもあるんだよ!」

「まあ“え”ぐらいだったら、どうにかなるかもしれないけど・・・。ほらっ。“ひこうき”だと、こんな感じよ!」
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「さあ、これでも、日本人って、頭いいっていう?!?!」

・・・そう、頭がいいのは確か。だからこそ、3つも異なるアルファベットを全部覚えて、使いこなすことが出来る訳。記憶や量、柔軟性という面では、日本語はやはり複雑かつ、優れている。ドイツ語は、アルファベットの数は少ないけれども、その分、英語や他の西洋のアルファベット言語と比べても、一つ一つの単語がぐんと長くて、つづりが難しい。そして似たようなつづりで全然意味の異なる言葉など、紛らわしい単語も多い。それになんといっても、ドイツ語を勉強された方はお分かりだと思いますが、文法の複雑さと決まりの多さ。

なので、はしょって言うと、ドイツ語と日本語を学ぶ子供たちは、

「日本語の文字量、ドイツ語の複雑な文法」

の両方をマスターしなければいけないのです。これにもちろん、言語の種類に関係なく、どの言語であっても、自分の考えをまとめて、組み立てて文章を作ったり、構成したりして、書いたり、読んだり、聞いたりしていかなければならない訳です。

脳と、体、総動員の作業ですね。

でもやっぱり言語を学ぶって、素晴らしい♪・・・と、昔から、超文系、国語が一番得意だった私は思うのでした。(英語など外国語も好きだったけど、本当に大好きで得意だったのは、いつも日本語(国語)だったし、学生でなくなった今でもそう)

自分のことを、一番正確に表現できるのは、私の場合は、言葉を通じてだと、最近またつくづく思います。
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by mikiogatawestberg | 2010-09-09 17:38 | 比較言語・Mutilingual