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ドイツの結婚式の常識

GermanOrganicBeautyのお客様で、今、ご自身のご結婚をどのようにするか考え中の方から、ドイツの結婚式についてご質問を頂きましたので、今日はこちらのインナーマッスルブログでお答えしたいと思います。


Q:美樹様の著書で、運命のハーブ:ローズについて書かれているくだりで、美樹様の結婚式の描写がございました。写真も載ってました。これは、日本でイメージされるような結婚式とはだいぶ違うように見えます。

日本ですと、プロポーズから、結納、式そのもの、披露宴、など、全国で平均300万以上もかけて、色々と行う一大イベントです。。非常に派手です。。さらに、新居への引っ越し、ハネムーンなども合わせると400万~500万も、かけるひとがたくさんいます。。(少なくとも、情報誌では、そのように書いています)雑誌では、親からの援助やご祝儀で、このくらいはまかなえるとか、結婚式の費用の作り方みたいなことも書いています。。

本当に、変だなあと思うのです。。今、結婚に至りそうな相手がおり、もし自分だったらどんな式にしたいだろう、と、想像しては、上記のような「一般的」(というのかわかりませんが・・・)なことを思うと、面倒だし、お金もかかるし、と、うんざりしてしまいます。

海外では、キリスト教であれば、毎週自分が通っている教会で式をあげ、集会所のようなところで、近所のみなさんで料理を持ち寄りお祝いするなど質素であるという話も聞きました。

ドイツでは、結婚式はどのように行うのが主流ですか?ご紹介頂けると、幸いです。

A:とっても、深く~て、面白いご質問をありがとうございます!・・・このテーマも書き出すと、昨日の天然石と一緒で、どんどん深みに入り、きりがなくなっていくと思うのですが・・・・・まずは、ドイツの事情です。

ドイツで、いわゆる「結婚」は、大きく分けて2段階があって、私の著書で掲載させて頂いた結婚式の写真は、まず1段階目にあたります。日本で言うと、「婚姻届を市役所に出す」という部分に当たります。私は日本で結婚していないので、よくは分からないのですが、日本では、「当人たちだけで、書類を市役所に提出する」というイメージなのですが、ドイツの場合は、ゲストを呼んで、皆が見ている前で、婚姻届にサインするというのが大半です。場所は、大抵市役所内になるので地味なイメージですが、例えば私が住むフランクフルトでは、市役所は、アルテシュタット(Alte Stadt)という街で、一番伝統があって、美しい教会や建物が多いところにあり、市役所自体の建物もしっかりと貫禄があるので、そんな質素な感じではありません。あとは、希望すれば、数百ユーロ払わなければなりませんが(市役所内の場合は無料!)、フランクフルト市内の別のところで行うことも可能です。私の場合は、大好きなパルメンガルテンという植物園内のローズハウスで、ちょうど季節もピッタリで、ローズの季節だったのでローズに囲まれての式でした。

ここで、いわゆるウエディングドレスを着る女性も稀にいますが、殆どの場合は、少し華やか目のスーツなどを着ます。私は妊娠していたのと、季節がもうかなり暑い7月だったので、白いシャツにスカーフ、パンツルックというスタイルでした。

この婚姻サインだけで結婚式を終えるカップルもドイツにはたくさんいます。例えば、結婚式にあまりお金をかけたくないカップルや、教会派でないカップル、年配のカップルや、再婚カップルなどにその傾向が強いです。ポイントは、家族や友人、同僚に、結婚したということを伝えることなので、特にゴージャスにする必要はなく、このサイン式だけ出席の場合は、ほんの気持ちほどのプレゼントや花束をプレゼントするゲストも多いです。また、大抵の場合は、式が済んだ後、皆でティータイム、または場所を変えて、レストランなどを貸しきってディナーをというパターンになりますが、この場合も、衣装替え(お色直し?!)などは殆どなく、最初のスーツ姿そのままです。

別のパターン(2段階目)は、私の場合のように、市役所の婚姻サイン式を終えた後、次の日は教会で、今度はウエディングドレスをまとい(夫の方は、スモーキング)、キリスト教の式というパターン。式の後、同じく、ティータイム、夜の披露宴と続きます。日本と違うのは、ホテルや式場の貸し時間が限られていないことで、大抵、飲んだり、踊ったりで、一晩を明かします。その間、花嫁にお色直しなどもなく、また元々、ウェディングドレス自体もシンプルで日本に比べると、平均的にずっと低価格です。

・・・後は、ご祝儀は、付き合いの深さなんかによっても変わってきますが、平均的に50ユーロから200ユーロくらいの間でしょうか?お金でなく、手作りのものをプレゼントしたりする人もいて、色々ありで、柔軟なので、主催者、ゲスト共に、あんまりプレッシャーはありません。日本のように、結婚式出席貧乏・・・みたいなことは、あんまり起こりません。私が今でも覚えていて、とてもうれしかったのは、お金の金額というより、ご祝儀+で、私のイメージで特別につくってくれた香りのブレンドのバスオイルや、趣味でDJをやっている友人が編集してくれた特別のCD、素敵なドイツの詩をコラージュして作ってくれた色紙・・・などなどです。つまり、お金というより、気持ちの深さ、相手に関する理解や興味を把握した上での、ちょっとユニークで気の利いたプレゼントが出来ると、突出します。・・・ドイツでは、普段どんなに相手のことを思っていても、なかなかこういう形で愛情や友情などの気持ちを示すとが出来る機会は、そんなにあるものではありません。誕生日とクリスマスを除くと、日本と違って、頻繁に贈り物をし合う機会が少ないので。。。。。

・・・と、ざっとドイツの平均は、自分の経験から見ても、この9年間友人たちの式に参加しても、上記のような感じです。

ですが一方で、日本ほどとはいきませんが、商業的なウェディングマーケットも存在していますよ!ちょうど先日フランクフルトでも開催された、「Trau Dich」という、「ウェディング」だけに特化した見本市。毎年開催されていて、ドイツ中を回っています。

また本屋さんの女性誌コーナーには、日本と同様、「Hochzeit(結婚式・ウェディングという意味のドイツ語)」だけを扱った雑誌が数種類並んでいます。

・・・私が思うに、雑誌に書いてある「あるべき結婚式の姿」「平均的な予算」とか、そういうものは、かなりマーケティングの要素が強く、現実とは、一致しない場合も多いのではないでしょうか?どんな人でも、やはり目に入ってくるもので「常識」とは何か?というイメージをつかむと思うので(これはドイツでも日本でも、どの国でも一緒だと思います)、例えば、大々的に結婚式の見本市開催のポスターが、今回のフランクフルトのように、街のいたるところにあったりすれば、「それが平均なのかなあ」と考えてしまうのは、自然なことだと思うのです。

ビジネス面から見て、ウェディング業界が魅力的なのは、たとえ不況であっても、いまだ人生のビックイベントと考える人も多く、また感情的な要素がとても強いイベントであるからではないかと思うのです。あと、決め手は、予算面。大人になって親から独立した後に、「資格を取りたい」「留学したい」「自分で、ビジネスをはじめたい」・・・と親に頼んで、すんなり資金を出してもらえるというケースはあまりない反面、「結婚式」というと、どかーん!とお金を出してくれる親は、割合的に多いのではないかと思います。・・・・・結婚式を挙げるカップルの背後にいるお金を持っている親世代をターゲットできるから、ウェディング市場というのは、大きくて、おいしくて、また不況に強い?!市場なのではないかと思うのです。

・・・と、私なりの分析ですが・・・。最近は、価値観も多様化してきているし、既存の結婚式に疑問を抱いているひとも一杯いると思うので、パートナーの方と相談して、自分の価値観を伝えて、お二人が一番幸せで自然と感じる形で式を挙げることが出来れば、理想ではないでしょうか?・・・例えば、同じ額のお金をかけて、ゴージャスにするのでも、従来的で一般的なものでなく、オーガニック結婚式を考えられたり、海外でお二人だけの式なんかを考えられたり・・・最近は、選択肢も増えてきていると思います。・・・同時に、ビジネスから見ると、オルタナティブ・ウエディング市場は、成長の可能性大!とも言えると思います。

ただ、日本では「結婚式は、こうでなければならない」というイメージやしきたりのようなものが特に強いと思うので、周りからどう思われてもいい、別に気にしない、、、という、心構えとか勇気は多少必要かもしれませんね。でも、本当の友人であれば、当人たちの幸せを一番に考えてくれていると思いますし、勇気を出す価値はあるのではないでしょうか?・・・ただ、やっぱり全資金を出してもらうのは、お互いのご両親・・・ということになってくると、ご両親のイメージされる式を、全く無視する・・・というのも難しいですよね。皆がみな、納得して円満、というのはなかなか難しいですよね・・・。

考えなくてはいけないことがたくさんあって、せっかくのご結婚の可能性が、面倒なものになってきてしまうのはとってももったいないと思うので、ぜひぜひこれを機会に、ご自分の価値観をとことん突き詰めて、結婚式というイベントを、その表現の場にしてしまったらどうでしょう?!

パイオニアはいつも大変ですが、足跡をつくっていくと、後から続いていく人がとっても楽になり、窮屈なしきたりが、だんだんと影薄くなっていく・・・というムーブメントに繋がるとも思うのです。

がんばって、幸せになってください!応援しています♪
by mikiogatawestberg | 2010-01-27 21:39 | ドイツ・Germany・Deutsch
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