人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ボッティチェリ展・裏口入館

フランクフルトのマイン川沿いにある人気美術館のシュテーデルは現在改装中で、美術館周りはこんな↓ポスターで囲まれています。
ボッティチェリ展・裏口入館_c0156907_6482882.jpg

・・・基本的にクラッシックなコレクションや展示の多い同美術館ですが、このポスターは、鮮やかなピンクとイエローで、シンプルでポップな感じですね。
ボッティチェリ展・裏口入館_c0156907_6494430.jpg

・・・でも、ドイツ語が少し読めてしまうと、こんな短い文章ですが、「改築のため、あなたも募金をお願いします」という内容が書かれていたりします・・・。

改装中といっても、美術館は通常通り運営されていて、今はちょうど、イタリアルネサンス期の象徴・美しいヴィーナスの絵で有名なボッティチェリ展が開かれていて、大人気。こちらが、同美術館の正面玄関前です。
ボッティチェリ展・裏口入館_c0156907_6531685.jpg

ボッティチェリ展・裏口入館_c0156907_730021.jpg

フランクフルトはもちろん(街中がこのボッティチェリ展のポスターだらけです!!)、ドイツの他の都市でも、今回のフランクフルトのボッティチェリ展は大きな話題になっていて、ドイツ中から訪問が絶えず、連日の訪問数も他の展示に比べものにならないくらいとのことで、既に期間延長も決まっているそうです。

・・・ですが、今日のシュテーデルは、がらんがらん。ドイツでは(日本でもでしたっけ?!)、月曜日は美術館は休館の日なのです。

私は仕事のリズムでは、他の曜日に比べると、月曜の午後に自由になる時間が少しあることもあり、これをとっても残念に思っていました。どうして丸一日も閉めちゃうのだろう・・・。商売精神がないなあ、全く・・・と、この月曜休館は、単にスローで休日好きなドイツ人の精神だろうと勝手に思っていたのですが、今回、とあるきっかけで、月曜休館の本当の意味を知ることになりました。

こちらは↓、同シュテーデル美術館の裏口入り口です。
ボッティチェリ展・裏口入館_c0156907_705491.jpg

なんと今日、この、一般では休館となっている月曜日に、シュテーデル美術館を貸しきって、ボッティチェリ展を堪能する特別イベント(ドイツ語では、Geschlossene Geselschaftといいます)にご招待を受けるという幸運に預かり、初めて裏口から入館、キューレーターの講義と2時間の作品鑑賞を楽しんできました!

美術館内はもちろんガラガラでしたが、私たち10人弱のグループだけでなく、ボッティチェリの絵の前でポーズをとるプロのモデルさんと撮影部隊が数グループ、他の都市からの特別グループ訪問客など、80人くらいはいたのではないかと思います。・・・月曜日の美術館は、こんな使われ方をしているのですね、なるほど。全然知らなかった・・・。

また、今回はボッティチェリの全貌に迫るということで、展示作品数も大変多く、また、ボッティチェリの作品は世界中に散らばっているため、今回の展示のために、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ドレスデンなど、色々な都市から旅をして絵画たちが集められている・・・というのも、実に希少で贅沢な機会です。

ボッティチェリの描く女性は、ルネサンス期の理想美(ideale Schoenheit)と言われていて、またルネサンスとは、「ギリシャ・ローマ時代の自由で創造的な文化の再生」、「(神の存在でなく)“ここ”と“今”」(hier und jetzt)という人間賛歌が思想の中心です。ボッティチェリの時代の女性の理想美とは、真っ白で透けるような肌と長い首でした。確かに絵画をよく鑑賞すると、女性たちの首が異常に長く、また横顔の姿勢と、肩と背中が広く深く空いているドレスが、更に首長が効果を強めています

真っ白な肌も(日本人女性は理解できると思いますが!)、首長も、今のヨーロッパ人の美の価値観とは異なりますが、ボッティチェリの作品となると、皆口を揃えて、「女性の理想美だ~!!!」と、深く考えず、見入ってしまうところが、圧倒的なステータスがなせる業かなとも思いますが、、、、、

でもやっぱり、本当に間近でみた本物はスゴカッタです。価値観の違いや時代の違いを超えて、うったえてくる、ものすごい何かを持っていることは確かでした。

個人的には、オーガニックビューティーアドバイザーの視点から観させて頂くと、ボッティチェリの描く女性の頬の、若々しく健康的でナチュラルな赤らみ、チークの入れ具合が文句なしっ!で、とても好きです♪
by mikiogatawestberg | 2010-02-08 23:41 | 文化・Culture・Kultur
<< Unser Planet Er... プラスチックコップも、地産地消... >>