Germany Trade & Invest.
本日の独ハンデルスブラット紙、
「ドイツは、この経済・金融危機にも関わらず(だからこそ?!)、ヨーロッパ大陸で、外国企業(特に米系企業)から、一番多くの投資を受け、また高く評価されている」 との記事でした。 アメリカ、そして投資家にとって、ドイツ評価のポイントは、 「・・・hohen Prozess- und Produktstandards/高度なプロセスとプロダクトスタンダート」 そして、最大の決め手は、 「die Qualitaet ihrer deutschen Mitarbeiter/従業員のクオリティー(品質)」 ・・・とても日本と似てますよね!ドイツ製品がファンで、ドイツという国にとても良いイメージを持って、日本からドイツに旅行に来られる方は、街や国の秩序と伝統ある美しさに心を奪われつつも、空港から、コーヒーショップ、デパートまで、あまりに愛嬌のないサービスに衝撃を受ける方も多いですが(私も、10年前に来たばっかりの時は、それはそれはショックでした)、、、ドイツという国は、やっぱりサービスよりも製品が強い、基本的にメーカーな国なんだと思います。 一方で、「一流のモノ」にはやはり魂が入っています。 数々の哲学者、科学者、文学・音楽で世界の文化に影響を与えた一流の人物を生み出してきた国ドイツは、やっぱり個人の力が強いというか、たまに大多数の庶民に紛れて、崇高な光を放つような人物が、現代でも顕在しているのです。(20世紀、アインシュタインやマレーネ・ディートリッヒのように、多くの優れた才能が、アメリカに渡ってしまった事も事実ですが・・・) ・・・とにかく、そういう哲学を持った傑出したドイツ人が、リーダーとなって率いている企業が生み出す製品やサービスの質は、経営者の魂が全てに貫通しているので、こだわりや哲学があり、ちょっとやそっとの表面的な真似では、到底追いつけないのです。つまり、メードインジャーマニーは、オンリーワンで、価値あるポジションを以前維持、それ(made in Germany)自体がブランド・・・ということになってきます。 特に私は最近仕事柄、CSRや環境意識に優れたドイツの中小企業について調査、発表していますが、どこも、「経営者が哲学者である」ということが、共通点になっている気がします。 アメリカや日本のように、数年前から言われてきた、CO2問題や、オーガニック、フェアトレード、ロハス、CSR・・・という、21世紀的な新しい概念ではなく、それらが既に包括されていた、20世紀前後(第一次・二次世界大戦)のシュタイナー人智学、またシュタイナーが直接大きな影響を受けたゲーテなど、思想や行動の根本が、ホリスティックで壮大な世界観に繋がっている・・・・・・ 普通のドイツ人はそんなことを意識して生活はしていないけれど、文化とは、知らずに体や習慣に染み付いているものなのです。 例えば、 「色白は七難かくす」とか、「自分がしたことは、いつかは自分に帰ってくる」 などの日本の古い格言なんかは、昔日本にいた頃は、現代の私たちがそんなに大きな影響を受けているとは思わなかったけれど、ヨーロッパにいるからこそ分かる、日本人女性の異常ともいえる美白志向、またどうして日本人は、なるべく悪いことをしないように、いい人でいるように努めるか?(いつかは自分に帰ってくるからですね・・・)というのも、全くそういう文化背景なしに、「他人のことなんてどうでもいい、自分とは無縁」と、日本人の感覚からすると、ありえないような態度をするドイツ人に多く出合ったりすると、改めて、育つ環境で昔からの言い伝えや感覚は、血となり肉となってくるものだと実感するのです。 「働くもの、食うからず」 も同じ。ヨーロッパでは、労働とクリエイティビティー(芸術や自己実現のためにする経済活動)は、基本的に2極化されているので、汗を流す労働に敬意がないのです。出来れば、働かなくて生きていけるのが理想だと思っている。 時勢は変わっていますが、それに気づいていない人々も多く、彼らはうつろな目をしながら、仕事を探し、爽やかな汗を流し、社会のために役立って自分もその実感を得るよりも、お金を持っている人や政府が、自分たちの面倒を見るべき・・・と、恐ろしいほどの他人依存なのです。 ・・・例えばこれに関しては、シュタイナー人智学などは、労働は人間の生きる証・・・という、むしろ日本的な哲学要素が入っているので、ドイツでは20世紀中はずっと、メジャーではなく、いつもオルタナティブであり、カウンターパートな存在だったのです。 それが、昨今の世界事情で、まず外の環境が変わり、その激化する競争の中で、世界から評価を受け、また成功してきている企業が、シュタイナー学校を出た経営者によって経営されていたりと、マイナーな存在が、実力によって、どんどん前に出てきている。オルタナティブから、メジャーな存在へ、ものすごいスピードで移行している・・・またそれは、現在のグローバル化、ネットでのネットワーク化などによって、更に拍車がかかっている・・・ こんな、ダイナミックな社会情勢が、今のドイツだと思います。 そんな中で、まさにシュタイナー、オルタナティブをテーマに仕事をしていることの幸せを噛み締めています。 話がどんどん逸れていってしまいましたが、やっぱりドイツの底力はすごい、過去も、これからの未来も、ますます強い国になっていくと思います。
by mikiogatawestberg
| 2010-04-21 15:57
| 経済・Economy
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