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メイ牛山のもっと長寿の食卓

ハリウッドビューティーサロン社長であり、ハリウッド美容専門学校学長で、日本の美容界を率い、美容に関わる人を育てているということ、90歳を超えて美肌で、現役で活躍されていること、そして四季をベースにした独自の食事・健康法を紹介されていること・・・等など、私自身のオーガニックビューティーアドバイザーとしての職業上、またプライベート的にも、以前からとても気になっていた、メイ牛山女史の本。1ヶ月前に日本から到着したまま、本棚に並べられていたのですが、先日同女史が、96歳でお亡くなりになったということをニュースで知り、急いでページを開き始めたのでした。
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まず一番気になっていた彼女の食事法はというと、生野菜と生水を絶賛し、お昼ご飯は抜かすことが多く、そして夜ご飯をたっぷりと、という提唱だったのですが、マクロビやアーユルヴェーダの哲学、及び理論と実践に、既に強く説得されている私は、残念ながら、あまり共感出来る部分がありませんでした。

ただ、「すい臓がんであと3ヶ月の命」と宣告された当時77歳のご主人を、強引に自宅に引き戻し、浣腸や解毒を中心とした彼女独自の方法で、完治させてしまったというところには、その事実にももちろん驚嘆しましたが、例えば、利尿作用のあるネーブルを旬でない時期には、「日本中探して取り寄せた」など、ご主人に対する愛情と、物事への徹底さ、簡単には諦めない粘り強さを感じ、流石はビジネスで大きな結果を残した方だけある!と感じました。

また自然食を始める前の40代の頃は、物忘れがひどく、やる気もアイディアもなかった、とのことですが、90代の今は、若い感性に全く劣らないアイディアが次々に湧き、家族からも会社からも、「アイディアウーマン」と評価されているとの事。講演会などでも、原稿を持たずに、全てその時の気分で話し、とても面白いと大好評を得ているそうです。これは、単に気分屋とか、怠惰とか、話しの才がある、ということではなく、「ニュースや旬の人に関する情報収集を常に行って、新聞の切抜きなどが、毎日の習慣になっている」というバックボーンがあってこそのものなのです。+色々なコトを体験してきた人生経験があってこその、「原稿なし」というスタイルなのでしょう。

それにしてもメイ牛山女史は、「人間の生物的な年齢と、精神・頭脳年齢は無関係」ということを証明している良い例だと思いました。「もう年だから・・・」という良く聞く言い訳を、決して許さない、という厳しさも感じました。

「遅すぎる・・・なんてことは、ない。思い立った時が、やり始める時。そして、間違ったり、寄り道をしたりしながら、何度だって、やり直してもいい」というメッセージ。

また生まれ持った容姿がモノをいうのは、せいぜい40代までで、それからは、「その人の生き方が、顔をつくる」とも。

亡くなるまでの数年は、日本にキレイなおばあちゃんを溢れさせようと、ますます仕事に情熱的にうちこんでおられたようです。

100歳、それ以上まで生きたいと、本書で言い切っていただけに、それが果たせずに亡くなってしまわれたのは残念ですが、これだけ仕事を残し、足跡を残し、人に元気と希望を与えた・・・という生き方は、とても素敵だなと思いました。果たして現代、どれくらいのご老人が、最後まで楽しく、人のためを思いながら、いきいきと生きられているのだろう、と思うと、彼女のようなケースは、本当に稀だと思うのです。

決して降ってきた幸福ではなく、自らが勝ち取っていったチャンスと、挑戦と実績。トライアル&エラーを包み込んだその全てが、最終的には充実した人生をつくるのだと思います。そしてそれには、年をとってしまってからではなく、出来るだけ若いうちからのコツコツとした不断の努力のみが、本当の生きる力となってくるのだと思います。

年を重ねるほど、美しく、賢く、優しくなりたい・・・と、思いました。
by mikiogatawestberg | 2007-12-18 08:24 | 本・Books・Buecher
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