イギリス・行方不明の子供調査にみる、社会経済的格差

今朝CNNを観ていたら、あるニュースが特に心に留まりました。

イギリスでの話なのですが、行方不明になっている子供たちの捜査状況、それに関する人々の関心の、経済・社会的格差の実態を、ある2つのケースを例にとって比較することで、まざまざと浮かび上がらせていました。

取り上げられた1つ目のケースは、つい数週間前に、放課後のスイミングスクールの後、行方不明になり、未だ行方が分からない9歳の女の子のケース。調査費用は5千ドルで、女の子の母親は5人の別々の男性からの7人の子供を持つ、いわば社会的弱者で、行方不明の女の子も、その中の1人の子です。母親は一生懸命、女の子の名前などを描いた、捜査協力を求める手作りのTシャツを合計で24枚つくったり、ビデオカメラを通して公に訴えるのですが、社会の関心は全く払われず、殆どのイギリス国民は女の子の名前が、シャノンちゃんということも、知らないという状況。警察の行方不明子供掲示板では、数週間前のケースなのにも拘らず、既に端の目立たない方に追いやられてしまっています。

一方、もう一つのケースは、既に10ヶ月以上も前に遡る、裕福なイギリス人カップルの娘の行方不明・調査のケース。ポルトガルでバケーション中に姿を消してしまったマディーちゃんという女の子の捜査には、何と5百万ドルの費用がかけられ、メディアも連日報道。女の子の捜査専用のウェブサイトが立ち上げられ、まるで企業のロゴのようなロゴがデザインされ、挙句の果てには、サッカー選手のデイビット・ベッカムまでがTVに現れ、プラカートを持ち「マディーちゃんの捜索に協力を!」と真剣な表情で訴える・・・という状態。

・・・どうしてこのニュースが私の心に留まったかというと、実は、後者の裕福なカップルの娘の捜査のケースが、ドイツまで及んでいたからです。

数ヶ月前、私の息子と娘の通う幼稚園の同じクラスの子供のママから、このマディーちゃんの写真付きのE-mailが突然届いたのです。「この可愛い女の子が、バケーション先のポルトガルで行方不明になっています。何か有力情報を見つけた方は、こちらまで・・・」と。

確かに女の子はとても愛らしい女の子で、同じ子供を持つ親として胸が痛み、全くいたたまれない思いを感じたのですが、同時に、何か違和感を感じたものでした。行方不明になっている子供なんて世の中に数え切れないほどいるのに、しかも、いくら陸続きの大陸ヨーロッパとはいえ、ポルトガルで行方不明になったイギリスの女の子たった1人の捜査が、どうしてこんなにプライベートなレベルで、ドイツにまで及んでいるのだろう・・・?

確かに、幼稚園は独・英のバイリンガル幼稚園で、E-mailを私に送ってきたドイツ人のママは、かつてロンドンに長期滞在していたという背景があります。きっとロンドンに住む友人・知人のつてで入ってきた情報なのかも知れませんが・・・。

世界中がフラットに繫がるようになったという、メールやウェブなどのグローバルな影響力とそのスピードにも、パワーの格差が歴然としているという事実を、見せ付けられた思いでした。

社会的弱者の女の子も、社会的強者の女の子も、どちらの子もまだ見つかっていないようです。・・・これは、子供を持ってみて、自分の子供が、、、と考えると、誰の子供とか全く関係無しに、本当に胸が痛くなります。
[PR]
by mikiogatawestberg | 2008-03-10 17:16 | オピニオン・Opi・Meinung
<< 子供の心を摑む、ヨーロッパのエコ教育 近づくイースター >>