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アラーキー、ホクサイに出会う

今回のイースター休暇の、ハノーファーの義父母の家での出来事。

「MIKIー。今月初め、日本の絵画・写真アート展に行って来たのよー」と、義父母が見せてきたのは、これ↓
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タイトルは“アラーキー、ホクサイに出会う”

ドイツに来て1~2年目だったら、ひるんでいるかもしれませんが(皆さん、ひるみましたか~?!)、ドイツ7年キャリアの私は、

「上手なマーケティングだな~」と、単に心から、感心。

アートの大御所ヨーロッパでは、その昔、印象派などの一流の画家が、浮世絵や風景画をはじめとした日本の絵画に影響を受けた時代から、日本に対するイメージは、現代も、実はあんまり変化していません。本当に一般的なイメージはまだ、フジヤマ、ゲイシャ、チョウチョウフジン、ホクサイ止まり。。。(悲・・・)
極東の神秘の国というエキゾチックな魅力と、ヨーロッパの一流の画家たちが直接的な強い影響を受けたということもあり、高尚趣味を自認する、ヨーロッパの中高年インテリ層を中心に、未だ興味を惹きつけています。

そして、ホクサイに並ぶ、ヨーロッパ人にとっての現代版エキゾチックは、アラーキーの写真アート!エキゾチックは、幻想やファンタジーを呼び起こし(→特に男性に!)、エロティシズムとも繋がっていくので、“西洋にはない、女性の性を捉えた斬新なアート”として、私たち日本人よりも(!)、ヨーロッパ人に、しっくりくるのです。

今回の、ホクサイに出会う!という新しい試みの前にも、もう既に10年くらい前から、アラーキーの写真アートは、単独でドイツで大成功を収めています。ドイツの各地で大きな展覧会が行われ、雑誌掲載なども沢山。ブログ冒頭で、私もドイツ在住1、2年目くらいだったらひるんでしまうかも・・・とお話しましたが、実際その昔(10年位前)、その頃遠距離で付き合っていた今の主人を訪ねに、ドイツに遊びに来ていた頃、主人の友達などに会ったときに、雑誌に大きく掲載されたアラーキーの女性ヌード写真(しかも、その中でもとても過激なものがなぜか選ばれている・・・)を突きつけられ、「ね~。MIKIってこの国から来たんでしょう」と、にんまりして言われ(今考えれば、これ、完全セクハラですね。)、とても恥ずかしく、悔しくもなっていたのを思い出しました・・。若かったー(笑)。

それはいいとして、とにかくもう10年くらいほぼ毎年、ドイツのどこかしらの都市で展覧会をやっていたので、そろそろドイツ人ももう、見飽きた感と、最初の頃のショーゲキ感が薄らいできたのでしょう。

そして今回のホクサイとのコラボ。

アラーキーの写真には、最初はかなり引き気味だった義母も、ホクサイとアラーキーが並んだことで、なぜだかアートとして認めている感じ。・・・もちろん、彼女もアラーキーはここ10年、見過ぎていて、感覚が麻痺してきたというのもあると思いますが。。。

ドイツでは、私のこの義父母に代表されるように、とても多くの中高年の夫婦が、美術館や展覧会を頻繁に訪れます。彼らにとっては、レストランに食事に行くという感覚と頻度で、絵画やオペラやバレエ、クラシックコンサートなどの芸術に触れているという感じがします。

この、アラーキーとホクサイというコラボは、まさにそんな層をしっかり捉えて大成功!しているんですね。日本では、このコラボが、ヨーロッパほどには上手くいかないと思います。(中高年層の多くがペアで美術館に行くという習慣も定着していないし、そもそもアラーキーと北斎のアートを愛でる層が、一致しない筈。)

アートも、グローバル&ローカルマーケティングの時代ですね~と、しみじみ思ってしまった出来事でした。

ちなみに同会場でもう一つ、kumi machidaさんというアーティストの展示会も同時開催されていたようです。この方、私は存じていなかったのですが、以前ドイツのケルンに在住されていて、今は世界的なアーティストとなった奈良美智さんを、なんとなく彷彿とさせるようなテイスト?!
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ホクサイ、ジョセイ、エロティシズム、コドモ、マンガ・・・これを押さえれば、アーティストとしてヨーロッパで成功できるかも!?偏見や幻想はあったとしても、要は、ヨーロッパ人にないもの、ヨーロッパにないものを、いかに強烈に表現出来るかが勝負なのかもしれません。

ヨーロッパのアートマーケットは、プライベートバンキングでもメジャーなくらいの大きなビジネスでもあります。
by mikiogatawestberg | 2008-03-29 06:45 | 文化・Culture・Kultur
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