最新オーガニックファッション・ヘスナトゥーア取材裏
環境と社会貢献と「志」のビジネス情報誌“オルタナ”へ、企業ルポを執筆のため、ヨーロッパのオーガニックファッション界のリーディングメーカー、ヘスナトゥーア(hessnatur)本社に取材に行ってきました。
所在地は、ブッツバッハ(Butzbach)という、車でフランクフルトから、約45分くらいのところの、のどかな田園風景に囲まれたところにあります。取材や仕事で車ではじめて行く所は、迷ったりしてアポに遅れてしまう・・・なんてことは、絶対避けなければならいので、私は事前に主人に一緒に車に乗ってもらい、場所確認をしておく習慣があります。 ・・・もちろん、ヘスナトゥーアも先週車で場所を確認済みで、もう完璧!と思っていたのですが・・・それでも当日、高速からの出口を間違えてしまうというハプニングがいきなり起こりました。・・・でも、地図が読めない自分の方向音痴を認めていて、用心深い私は、こういうことも想定済み。この日もかなり時間に余裕をもって家を出たので、焦らず対処。最後は、優しいタクシーの運転手のおじさんに、手取り足とリ行き方を教えてもらい、約束ピッタリの時間に到着しました! 32年前、世の中が高度経済成長・消費主義まっさかりだったころ、ひとりhessnaturを創業したハインツ・へス(Heinz Hess)氏が建てた、本社ビル。 hessnaturの、hessは、ブッツバッハがヘッセン州にあることに由来しているのかなあと勝手に思っていたのですが(ちなみに、フランクフルトもヘッセン州にあります)、実は創業者ヘス氏のHessに由来していたのです。シュタイナーの人智学に造詣が深く、Naturalist・Environmentalistであった彼の哲学が、ヘスナトゥーアの根幹です。 2006年にヘス氏が他界し、後を引き継いだのは、現経営者のリュッデュゲ氏。なんと、ヘスナトゥーアとの出会いは、同氏がプライスウォーターハウスのコンサルタントとしてやってきてからとのこと。自然と人のハーモニーを目指す企業経営は、彼の長年の夢だったということで、事業を引き継ぎました。モダンで、ファイナンス・マーケティングセンス抜群の彼をトップに、ヘスナトゥーアは、オーガニックファッション界に、新モードを引き起こしています。ドイツ語圏を超え、とうとうアメリカ市場に進出!という、今年の大きな決断も、彼あってのことです。 本社ビル横には、直営店があり、車やバスで、一般のお客さんが沢山ショッピングにやってきます。平日の午後という時間でしたが、駐車場は全て埋まっていました。この直営店の建築の構想は、リュッデュゲ氏のものということです。もちろん、塗料は全て環境に負荷をかけないものを使う、代替エネルギーを使う等など、サステイナビリティーにこだわった建築です。エコスタイルと、モダンな幾何学模様スタイルが、ユニークなスタイルを生み出しています↓ さて、時間ピッタリについた私ですが、長時間のドライブだったこともあり、とにかくトイレに行きたくなり、レセプションでトイレの場所を聞くと、なんと、最上階に一箇所だけとのこと。エコハウスなので、エレベーターはなく、必死で階段を駆け上がりました。34度近くあったこの日は、むっとする暑さで、汗はだらだら・・・。もちろん、エコハウスなので、エアコンもありません・・・(ドイツには、エアコン自体、あまりないという背景もありますが・・・)。 レセプション前にディスプレされている、オーガニック繊維とファッションのアート↓ 私が駆け上がった、階段(笑)↓ 窓の外を覗くと、この辺りは、ヘスナトゥーアの他にも、結構ドイツの優良メーカーが集まっている地域のようです↓ 多少の冷や汗はあったものの、事前の準備はしっかりしておいたので、2時間に渡る濃密な全ドイツ語でのインタビュー取材も大成功!沢山の新情報、未公開エピソードなども聞くことができ、無事終えることが出来ました♪ そして今回実は、取材に加えて、新商品のアイディア提案もしてきてしまいました!・・・私自身が日頃から温めていたアイディアだったのですが、ぜひヘスナトゥーアに実現してもらいたい!と思っていたものです。・・・・突然のコンサルだったのにも関わらず、反応はとてもポジティブでした。今、詳しい内容をお伝えすることが出来ないのが残念ですが、将来的に、私のアイディアで商品化・・・ということも、ありそうです♪ 帰りは、田園風景を両側に風を切り、フランクフルトまでの快適なドライブで、気分は爽快! 改めて、ドイツって、自然が多いな~と感じます。実はドイツは、国土面積は日本より狭いということをご存知ですか?なのにも関わらず、自給率は80%を超えているということで、流石です。 世界的に石油・原料・食料の価格高騰が言われている今、私は急に日本のことがとても心配になってきています。バターが、スーパーの棚から消えたという話も聞きました。ドイツでも、バターと牛乳の価格がついに上がったと、大騒ぎになっていますが・・・。インフレが特に著しいアメリカでは、趣味ではなく、あくまで食べるための家庭菜園を始める人々が急増している、という話も聞きました。食料の問題は、これから絶対深刻になってくると思います。ハーブしか育てたことのない私も、生きる力を養うため、そろそろ本気で、野菜を育ててみようかなあと考えています。 ・・・と、だんだん話が反れていきましたが・・・。 ヘスナトゥーアは、本社すぐ傍の畑で、オーガニックリネンとウールの栽培をするプロジェクトを数年前から開始しています。それらの繊維は、全てドイツで製造・加工されているという、純メードインジャーマニー!最近のオーガニックのトレンド、リージョナリティー(地域経済の活性化)と、CO2削減にも貢献しています。次はどんなプロジェクトを計画しているのでしょう?!今後の展開も、とても楽しみです。
by mikiogatawestberg
| 2008-06-04 18:32
| オーガニック・Organic・Bio
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