サーカス・クニー(KNIE)~人間編~
動物たちの芸、いかがでしたでしょうか?人間たちも、負けずに素晴らしい芸を披露してくれました!
オープニングは、ナイスバディーなお姉さんたちのダンスで、華やかにスタート。 道化師(クラウン)と、ミニ象の芸。ミニ象の中には、小さなワンコちゃんが入っていて、道化師と面白おかしい芸を繰り広げます。 サーカスといって一般にイメージするクラシック芸も、ところどころに登場します。シンプルだけど、レベルはとっても高し! 空中ブランコは、命綱もトランポリンもないし、プロだと知っていても、もう観てる方はハラハラ。同じ人間のDNAとは思えない・・・。私には絶対不可能な職業だと、再確信。 クニー家の若者たちがブルンブルンと、車で登場。意識して80年代レトロにしているのか、ビーバップハイスクールなイメージ(笑)。 動物編でご紹介した、息を呑むライオンとトラの芸が終わった後は、舞台全体に張り巡らされた柵を取り外すのに、少し時間がかかりました。その間、突然現れたのはコレ↓ 会場の人々で、ふわふわの四角いボールを、タッチしながら一周させます。 ・・・そんなこんなで、5分くらい経ちましたが、しっかり取り付けられた柵を全部取り外すのにまだまだ時間を要す感じでした。そんな様子を横目で見ながら、道化師のお兄さんは、観客席辺りをくるくるっと見回し、なっなんと、一瞬ガチッと目が合ってしまった・・・と思ったら、そそくさと我がファミリーの座っている、ロッジ席13番の前にやってきて、足を止めたのでした。 笛をピーピーいわせながら、起立させられたのは、我が家の5歳の息子!突然、真正面からのスポットライトを浴び、道化師は何かをポケットから取り出します。 会場全体の注目を集め、恥ずかしながら、振り返って微笑む息子。(繊細な彼が突然大声で泣き出したらどうしよう・・・と、私はハラハラでした!!!) ・・・でも流石はプロ、子供をそんな気持ちにさせる前に、目の前でクルクル展開するマジックに、しっかり気を惹きつけさせます。 もう一人の道化師の誕生! この後、道化師のお兄さんは、「完了!お客さん、ありがとう!」の意味を込めて、ぺこっと頭を下げてお辞儀。その後、ピピピッとの笛を鳴らすだけのメッセージで、隣に立っている息子にも、お客さんに自分と一緒にお辞儀をすることを促します。道化師は話さないので、コミュニケーションは身振りと笛のみ。一瞬、息子は「???」という感じでしたが、すぐに状況を理解し、ペコリ。会場からは、大拍手で、無事役割を終えたのでした。 ・・・実はドイツでは、頭を下げてお辞儀をする習慣は、日常の生活ではまず無く、幼稚園や小学校などではまず習わないので、お辞儀をできるドイツの子供って、そんなにいないのです。 ・・・でもどうして、うちの息子が、こんな緊急状況下でスムーズに上手にお辞儀ができたかというと・・・。それは、週に1回、土曜日に日本語補習校に通っているからなのでした!・・・「日本式のお辞儀がしっかりできるように・・・」との願いを込めて子供を通わせている親御さんもいらっしゃるくらい、お辞儀は、立派な文化!自然にできるようになる、というものではないのです。「どこで何がどう活きるか分からないわね~!」と、こんな場面で感動してしまう、母親の私でした!(ドイツにお辞儀の文化は日常的にはなくても、演劇やコンサート、サーカス、スポーツの世界なんかには、お辞儀文化がしっかりある!っていうのも、とても面白いですね~) 後半は、観客参加型の即効芸もありで、中々楽しかったです。観客との直のコミュニケーションが可能なのも、小・中規模サーカスの強みだと思います。 華やかなフィナーレで、夢の中のような興奮の連続の数時間が終了しました。 ショーの印象や残像を味わいながら、サーカステントの出入口方面に向かうと、こんなに夜遅いのに、入り口には入場を待っている沢山の人々の行列。。。「えっ。この後、こんな時間にもう一回ショーがあるの???」と、私はびっくりしましたが、同時に気づいた、何かただならぬ雰囲気。冷静にこの人たちを観察してみると・・・ “女性ゼロ。全員男性。なんか皆、おしゃれでカッコいい” ・・・分かっていただけましたか??深夜にゲイの男性専用のショーが、企画されていたようなのです。「家族経営だし、団員も多く、動物たちの維持費も大変そうだな~。せっかくいいサーカス団だから、廃業しないで欲しいなあ~」なんて思っていた私の心配をよそに、クニー団、なかなか見事なマーケティング!・・・ゲイの男性って、芸術やエンターテイメントに価値を認める人が多いし、時間やお金をかけることを厭わない。プラス、日本などに比べて、ゲイの人はしっかりとした市民権を得ているドイツではあるけれど、やはりこの集団を真昼間にというのは、いくらドイツ社会でも、そこまでは進んでいません。深夜は、普通の子供つきの家族なんかの入場はまず見込めないし、ゲイカップル、クニー団、どちらにとっても、正にWinWinの隙間マーケティング!マッキンゼーを入れなくても(?)、知恵を絞って色々出来ることはあるんですね~。 後半は、「お辞儀文化」や「ゲイマーケティング」、何だかサーカスから派生して、別のことで頭が一杯になってしまった不思議な日でした。脳に色々な印象がごちゃまぜになって、どんな夢を見てしまうことだろう・・・とちょっと心配になりましたが、体がかなり疲れていたのか、夢なし熟睡でした、ほっ。
by mikiogatawestberg
| 2008-08-30 06:13
| 文化・Culture・Kultur
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